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「大丈夫」思い込もうとする空気 福島 伝えたい [原発]

☆元福島TVの女性アナウンサーが、金沢に避難して現在の胸中を語っています。
しかしこの方、報道人としてどうなのかなあと疑問を抱いてしまいますね。
6歳の子供と妊娠中だったということからして避難されることは良いとしても、震災当時、福島のTVは盛んに放射能の安全デマを放送し続けていたわけです。
そのためにどれだけ多くの福島の人々が避難をためらい避けられたはずの被曝をしてしまったことか。
そのことの責任について、一言の反省も謝罪も述べていません。
「福島駅近くでサクランボをほおばる幼稚園児の話題。洗わないまま『おいしい』と言って食べる“安全性”のアピール」、それに協力しておきながら、「これって放送していいの?」とただ自問するだけです。
本当に自問し反省してるのならこの“安全性”のアピール放送に協力することを拒否すべきだったでしょう。
報道人としてとても反省してるとは思えませんね。
残念ながら、自分たちだけが避難した後ろめたさを自己弁護してるだけとしか思えません。
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子連れ避難 元キャスター金沢で決意
 福島テレビ(福島市)で十五年にわたりアナウンサーとして活躍した原田幸子さん(37)が、東京電力福島第一原発事故を契機に長女の真帆ちゃん(6つ)と実家のある金沢市に避難している。
「故郷」と呼ぶはずだった福島だが、第二子の妊娠が分かり七月で退社。福島を離れた。
「報道に携わった一人としての体験を多くの人に知ってほしい」と今、金沢市であるイベントなどで自らの経験を語る。(松岡等)


 夕方のレギュラー番組でキャスターを務めるはずだった三月十一日。
揺れが襲った直後からヘルメットをかぶってカメラに向かう。
保育園に預けていた娘の安全を確認できたのは夜だった。夫は他局のアナウンサーで、母娘の二人は三日間、局で寝泊まりした。


 1号機が爆発し、十四日朝、金沢の両親に頼んで娘だけは避難させた。
3号機爆発による大量の放射性物質が福島市に届く直前だった。


 三月中に初めて金沢に戻った時、友人が食事に連れ出してくれた。豊富な食べ物、汚染を気にすることもない。「これが普通の生活だったんだ」。涙が出た。

*ふくらむ疑問


 それから福島と金沢を行き来する。「東北新幹線で途中、マスクをするのが戦場に帰るために切り替えるスイッチ」だった。


 伝えるニュースに「これでいいのか」という疑問がふくらんでいく。
例えば福島駅近くでサクランボをほおばる幼稚園児の話題。洗わないまま『おいしい』と言って食べる“安全性”のアピール。「これって放送していいの?」と思わずにいられない。
 原発報道でテレビへの信頼が失われていくのを実感する一方で「テレビが言ってんだから安全だべ」という人も。本当に福島の人たちに必要な情報を伝えているのか自問した。


 以前から熱望していた妊娠が分かったのはそんな時。「まさかこんなタイミングで」。母親として踏ん切りがついた。福島にはいられない。「命って引き継がれていくんだなと思う。これだけの犠牲があったのだから、強い子になる」。現在妊娠八カ月。男の子と分かった。

*感じる引け目


 福島で今、一番の話題は除染。「大丈夫だと思おうとしているよう。残った人はそういう精神状態になるし、メディアもその方向に進んでいくような気がする」。けれど除染にどれだけかかるのだろう。「県をなんとか維持したいという人たちの思いを感じる」


 最近の電話で知人から「日常の生活で(放射能を)気にするのにも限界がある」と聞いた。「金沢に実家のある自分は幸運。すべてを捨てて福島を離れるのは並大抵じゃない」


 半面、避難した人は引け目も感じる。取材されたくない人は金沢にも数多い。だからこそ、報道に携わった者として、経験を自分が話したい。福島のことを聞いてほしい。原発事故の反省を生かさせなければ、福島が被った犠牲の意味はないから。

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福島第一原発の現地映像~限定取材に海外ジャーナリスト反旗 [原発]




福島第一原発の現地映像~限定取材に海外ジャーナリスト反旗









11月12日、政府は、内閣記者会などに所属するメディアに対して、福島第一原子力発電所を公開したが、イランの国営放送PressTVの日本支局長が、一部のメディアのみが対象だったことに抗議して、撮影動画をフリーランスやネットメディアに無償配布をはじめた。
 
映像の無償配布をはじめたのは、新月ニュースの代表で、イランの国際衛生放送「PressTV」日本支局長のマイケル・ペン氏。「記者クラブや大手メディアによる「メディア・カルテル」が存在する事実に対して深い不信感と疑念を払拭する事が出来ない」として、外国人プレスによる代表映像を、記者クラブに所属していないジャーナリストらに無償での配布をはじめた。
 
福島第一原子力発電所敷地内の取材を求める声は、政府の統合本部会見で度々あがっており、フリーランスの綿井健陽さんらは、正式に公開を求めていた。これに対し、統合本部は、細野原子力行政担当大臣に同行するかたちで公開を決定したが、取材が認められたのは、内閣記者会に加盟する19社と福島県政記者クラブ7社、そして外国プレスの計36人と限定され、ムービーとスチルの撮影は代表1社のみの取材とされていた。
 
ペン氏は、フリーランスのジャーナリストなどに対しメッセージを送り、「これからも皆様と力を合わせて、より一層、日本の報道が民主主義的なものとなることを目指し、既存の古い因習を打ち破る努力を惜しまないで行きたいと思っております。」と述べている。
 

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東電株主ら、経営陣に代表訴訟も~賠償額5兆5045億円 [原発]


★東電株主ら、経営陣に代表訴訟も~賠償額5兆5045億円






福島第1原子力発電所の事故を巡り、「東京電力株主の会」メンバー42人が、11月14日、東京電力の監査役全員に、現取締役及び歴代取締役61人に対し、損害賠償請求訴­訟を提起するよう提訴請求書を送付したと記者会見で明らかにした。
  
「東京電力株主の会」は、20年に渡り、株主総会等において原発の廃止を要求してきた。提訴請求の主な理由について、地震と津波対策に、数々の警告があったものの、経営陣­が適切な対策を怠ったため、会社に巨額の損害を与えたと説明。株主側弁護団の河合弘之弁護士は、「2008年に東電の社内で、福島原発に最高15.71mの津波が来るとい­う試算があったにも関わらずそれを無視した」と指摘した。
 
請求額は、5兆5045億円で、被災者の弁償に使うよう要求している。提訴請求書を送達後、60日以内に監査役が応じなければ、株主が提訴をする方針。
 
東電の広報は取材に対して、「株主と個別のやりとりを行うので、メディアに回答することはできない」とコメントした。

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制作:OurPlanetTV
http://www.ourplanet-tv.org


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★勝俣氏を含む61人に対して会社に5兆5045億円を払えということだそうです。
日本裁判史上最高の訴額です。
最近、巨大な天災だから仕方がないとか、天災だから誰にも責任がないとか、国民みんなが責任を負うべきだとかいうような風潮が出てきています。
原発事故は決して天災ではなく、人災です。
責任問題を先の大戦のように国民一億総懺悔にしていいんでしょうか。
ここは歴代東電幹部個人の責任を明らかにしてきっちりと責任をとらせるべきだと思います。
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【西ドイツ放送】 死の地域に生きる 原発事故後の日常 [原発]

☆必見です!!
ドイツの放送局が制作したドキュメンタリー、福島の真実の姿を描いてます。
日本のTVでは絶対に見られない視点です。
やっぱり外国のTV じゃないと本当のことが分かりません。
時間のある方は是非見て欲しいです。28分ほどかかりますが・・・
時間のない方は書き起こし文だけでもよかったら見てみてください。。。
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【西ドイツ放送】 死の地域に生きる


「死の地域に生きる」原発事故後の日常

福島原発周辺の汚染地域に行きたいと思う人はいない。それでも行かなければならない場合…
このような防護が必要だ。
彼らが汚染地域に行くのは、そこにまだ人が住んでいるから。
年寄り、若者、赤ん坊、みんな援助を必要としている。
緊急に

お米、麺類、食用油、飲み水
三浦万尚さんは避難区域の世話を続けている。
私達は南相馬の彼の事務所を訪ねた。
ここで三浦さんは避難区域での救援計画を立てる。
老人や一人暮らしの人々に食料を届けるため。

この日台風が接近して空は陰鬱だ。
原発事故以来、雨は危険である。
「雨の日には被曝する危険が高まります。
雨水の中には放射性物質が溜まっていますので、
肌が雨に濡れるとガンマ線を吸収します。
ですから雨に当たらないようにしなければなりません。」

HCR =“ハート・ケア・レスキュー“
”心の救護者“と三浦万尚さんはこの組織を名付けた。
我々は一週間三浦僧侶と行動を共にし、
南相馬市での人々の日常を追った。

福島原発からは20キロしか離れていない南相馬市は、
原発事故のどん底にある。
羽田マサハルさんを訪ねる。
原発に最も近い家に住んでいる人だ。
三浦さんはまず家を一周して、線量を確認する。
雨水が溜まる場所は明らかに線量が高い。

「ものすごく高い線量ではありませんが、ここに住み続けるには高すぎます。
羽田さんは一刻も早く避難して賠償金をもらうべきです。」
羽田さんは絶望している。

繰り返し家の除染を試みてきた。
屋根も洗ったし、庭の土も取り除いた。
木の幹まで洗って、線量は数週間下がっていたが、
再び上がり始めたのだ。

何故逃げないかって? 私の家族は千年もここに住み続けて来ました。
「逃げるわけにいきません。死ぬまでここに留まらねれば…」
「やるせないです。ここの人々は土地との精神的な絆が深いのです。
早く逃げなければいけないのに逃げられないジレンマがあるのですね。」

庭で出来た果物は今では特別ゴミである。
三浦僧侶はこの果物を、羽田さんが使っている湧き水と一緒に測定所で検査してもらうことにした。
役人は「大丈夫」という結果を出したが、三浦さんは信じない。

実は羽田さんは東電に勤めていた。
事故の起きた時は原発内にいたのだ。
「3号基の爆発は普通のものではありません。
ウランとプルトニウムが核分裂を起こしてすべてを吹き飛ばした。
でも誰も測定を行いません。政府が望んでいないのでしょう。
嘘をついてるのは東電だけでない、国も真実を隠しています。」

本当にウランとプルトニウムの核分裂による爆発ならば、原爆のようなものである。
タサク・アユミさんにとっても雨は嬉しいものではない。
これから子供を学校に連れて行かなければならないのだ。
この若い一家は舅の家で避難生活をしている。
自分の家は汚染されてしまったから。

「事故以来生活は完全に変わってしまいました。
特に子供のストレスは大変です。
外ではもう遊べないので、いつも家の中にいます。
長袖の上にさらにジャケット着なければいけません。夏もです。」

あゆみさんは毎朝車で子供を学校に送る。
雨の日には子供達は校舎まで走らねばならない。
濡れるのが恐いから。
他の子供達は町中からバスで登校する。この一校だけが、津波と原発事故を生き延びた。

今日は生徒達に線量計が配布された。
線量計はずっと保護者の求めてきたものだが、
配布する教師の心は重い。
「この線量計は嬉しくないです。生徒達は実験台にされるのです。
現在の線量を表示するわけではなく、データを保存するだけです。
警報を出して逃げさせてくれるような線量計ならずっと良かったのに…」

久保木先生は子供達に気をつけて線量計を扱うように説明する。
寝る時につぶさないように…
服を洗濯する時ポケットから出すように…
線量計に縛られた子供時代。
「放射能はそれほど恐くないけど、線量計をなくして怒られるのが恐いです。
気をつけます。」

小林サダオ校長も新しく測定器を入手して、毎朝線量を測定している。
校庭は大掛かりな除染を行ったばかりだ。汚染された砂を取り除きいて2mの深さに埋め、線量は下がった。
「専門家が来て除染を行いました。教員や保護者も手伝いました。
しかしどうやって被曝から身を守るかわかりませんから、汚染された埃をずいぶん吸い込んでしまいました。
自殺行為だと思います。」

小林先生は学校の屋根に案内してくれた。
ここでは空間線量から身を守らなければならない。
津波の襲った3月11日の様子を説明してくれた。
「津波はあの松くらいの高さでした。
巨大な黒い波が瓦礫を押し流して来て、
ちょうど学校の壁の前で止まりました。」

津波の爪跡
瓦礫はアスベスト、ダイオキシン、そしてセシウムに汚染されている。
被災した沿岸一帯2千6百万トン残された瓦礫をどこに運んだらいいのか…
通常の百年分の量である。

津波の襲った日に人生が変わったのは…
菅原マサキさんと青田カツヒロさんも同じだ。
二人は昔からのサーファー友達
福島県の海岸はかつてはサーファー天国だった。
週に二三回、二人はここで波乗りをした。

「福島はサーフィンにもってこいだったのに、津波後はいい波が来なくなりました。
地震で海底が変わったのでしょう。」
3月11日は菅原さんにとって生涯忘れることが出来ない日となった。
彼の愛してきた波に両親を奪われたのだ。
「両親は津波にさらわれました。
兄は仕事から大急ぎで帰ってきたのですが、家は消えていました。
両親の消息を尋ね続け、
二週間後に遺体が発見されました。」

南相馬ではサーフィンはとっくに禁止されている。
砂も所々セシウムに汚染されている。
それでも時々誘惑に負けて海に入るサーファーがいる。

食料を買出しするタサク・アユミさん。買わなければいけないものは沢山ある。
オレンジは安心。福島産ではない。
原発事故以来、買い物には気を遣っている。
「福島産を買うのはためらいます。子供のためにはこの地方の物は避けたいです。
北海道産とか、なるべく遠い所の物がいいです。」

店主の大津ケイイチさんは事故後品揃えをすべて変えた。
九州産の野菜や北海道産のきゅうり、
福島産は検査済みの桃だけだ。
店長は二日ごとにセシウム汚染値を入手する。
「年寄りの方はそれほどでもないですが、若い方は気にされています。
食品が検査されているかよく聞かれます。」

汚染値ゼロ保証の新鮮豚肉
一つ一つのパックに安全シールを貼ってから冷蔵室へ、
いずれにせよ、福島産の食品は南相馬よりも他県での方が売れると店主は言う。
「福島から遠い所の人ほど、あまり深く考えていません。
東京では福島産の食品はよく売れます。
福島を応援しようと言うのです。
ここではみんな放射能の恐ろしさをよく知っていますから、福島産の食品を買うお客さんはほとんどいません。」

原発廃墟からわずか20キロのこの土地の方が、むしろあゆみさんにとっては安心して買い物が出来るというわけだ。
学校の昼休み。今までと違って子供達は毎日教室を掃除しなければならない。
福島原発からは今でも放射能が流出を続け、極めて危険な放射性物質が町に降り続けている。
掃除は効果があると言われるのだ。手を洗うことも。
この子にとっては、今日が最後の登校日。家族が南相馬から避難することになった。もう帰ってくることはない。。

「悲しんじゃだめ。一番のお友達ももう山形に引っ越したでしょ。」
大丈夫」
「放射能から身を守るために引っ越す家族もありますが、
別の苦労が待ち受けてます。

“福島から来た”というイジメが多く、それで精神科にかかった母親もいます。」
子供達はお別れ会を催した。
「椅子取りゲームをしようか?」
「それとも歌とかダンスがいい?」
“忘れないでね”“友達でいようね”と言う寄せ書き。

「もうクラスの子もたくさんいなくなりました。」
「ゆき、りょうご、みつる、ひかり」
「夏休みの間にいなくなりました。」
「黙って行ってしまいました。」
「原発事故がなかったら、みんな一緒に外で遊べたのに」

常に心配しながら生活することで心が壊れてしまうと三浦万尚さんは言う。
町を出て行く者もあるし、残っても人が変わる者もある。
食べるのを拒んだり、アルコールに溺れるようになったり、
自殺する者もある。
福島だけでも震災後70人が自殺をしている。

「墓地に響く海鳴りがまるで死者の声に思えます。
助けを呼んでいるようです。
私達はもっと団結しなければなりません。
そして放射能の恐ろしさをよく説明しなければ、本当の幸せは訪れません。」

市立病院に来たあゆみさん
子供達の内部被曝を調べるホールボディカウンターを受けるのだ。
「検査は大切だと思いますが、やっぱり落ち着きません。
結果が怖い、でも本当のことも知りたい。
複雑な気持ちです。」

事故以来医者や看護士は出来高払いで働いている。
南相馬の子供達75人は全員年に一回検査を受けることになったのだ。
「難しい説明をしなくても、ほとんどの子供はすぐに何を行うのかわかるようですが、
不安な気持ちはあまり言葉にしません。
隠している子が多いのだと思います。」

三台のホールボディカウンターは絶え間なく動いている。
骨に溜まったセシウムや甲状腺のヨウ素などの微細な放射性核種が、
スキャンされる。

福島市ではすでに結果が出ている。
子供達の二人に一人からセシウムが発見された。
今後小児癌が増加することを多くの保護者が恐れている。
妊娠五ヶ月のこの看護婦も不安に思っている。
「今のところみんな心配する必要はありませんが、
5年後10年後はわかりません。
いつか避難しなかったことを後悔する日が来るかもしれません。」

それでもしかし生活は楽しいものでありえるのだ…
我々は翌日南相馬のゴルフ場に出掛けた。
最近再開されたばかりなのだ。
オーナーの福躍好勝氏が案内をしてくれる。
原発事故前この松はまだ瑞々しい青色をしていたそうだ。
今は枯れ死してしまっている。
線量は毎時1マイクロシーベルト、
プレイ中レントゲンと同量の被曝を受けることになる。

「原発事故後の変化と言えば、南コースの汚染が激しかったこと。
丘の上に放射能雲が留まったからです。
この部分の閉鎖を検討中です。ゴルフには危険すぎます。」
鹿島カントリークラブの会員は4千人
そのうち20人が津波で亡くなった。
残りのメンバーは再び定期的にゴルフ場を訪れている。
チェック模様で汚染芝生に立つ。

「ストレス解消です。
心配ですが、何も変えられませんし、
気にしてばかりいるほうがストレスになります。」

福躍氏は本当はゴルフ場再開に反対だった。
弁護士も未知の危険があるから止めるように忠告した。
念のため毎日線量を表示することにしている。

私達にはお客様の健康が一番大切です。
20年後にどなたかが癌になる原因にはなりたくありませんから、
どんな状態のゴルフ場かお知らせし、ご自分で判断していただきたいです。」

三浦万尚さんはとっくに次の仕事に向かっている。
南相馬の端にある新興住宅地。二人の子供がいる若い家族の家だ。
この場所の一年間の被曝量は、ドイツの原発作業員の3倍だ。
三浦さんはその状況を改善させたい。

「今日どこまで行くかわかりませんが、屋根をまず除染、
それから家の壁、ベランダ、そして玄関前のコンクリート。」
家族は除染作業を気味悪がり、
事前に避難した。(19:40)
けれど近所の人は逃げず、興味深そうに見に来た。
自分の家の除染したいと思ってるのだ。

「前もって電話で危険を知らされました。
けれどもびっくりです。
こんなすごい防護服で来るとは思ってもいませんでした。」
マスクをもらい、屋内に留まるようアドヴァイスを受ける。
三浦さんチームは警告シールを貼って、“死の仕事”の準備を整えた。
キャップ、マスク、そして防護服
この装備で三浦さんは家を放射能から解放するのだ。
大袈裟だと言う人もいる。

「家の除染? 考えてません。」
「手を良く洗って、うがいをすればいい。」
南相馬は段階的に除染されていく予定だ。学校、道路、そして個人宅。
それは危険な上に、終わりのない計画である。
冬になれば山おろしが再び放射性物質を住宅街に運んでくるからだ。

たまにはすべて忘れてリラックス。
あゆみさんはこの日を楽しみにしていた。
初めて赤ちゃん体操に参加したのだ。
「すごく安心しました。赤ちゃんのいるうちはほとんどないと思っていましたから。外ではほとんど見かけません。
でも他にもたくさんいるのを見て嬉しかったです。」

お母さん達に呼びかけたのは宮原けい子さんだ。
3月11日の震災以来助産婦の宮原さんは、若い家族のケアに専心している。
週に一度集まって母子体操を主催。
「どんな話でもします。
例えば散歩の時には木に近づいてはダメですとか、
放射性物質がたくさんついているから、
外出しないわけにはいきませんが、気をつけなければいけないことがあります。」

市の行政はなるべく沢山の若い家族が町に戻ってくるように呼びかけている。
しかしあゆみさん達は、母親の不安がまともに相手にされていないと感じている。
「食べ物も水も安全だと言いますが、信じられません。心配です。」
「避難した方がいいのかもしれませんが、夫が大丈夫だと言うので…
一人で逃げるわけにいきませんでした。」
「こんなことが後どれくらい続くのか知りたいです。
いつになったらまた元通りになるのか情報が欲しいです。」

菅原マサキさんも今日は海でリラックスをするつもりだ。
両親を失った息子にとってサーフィンはセラピーのようなものだ。
「津波に父と母を奪われましたから、
海が怖いということもありますが、
けれど海は偉大ですし、
海を友達にしたいと思います。
きれいな海を見ると心がすこし癒されます。」

菅原さんが選んだ海はよりによって東海村
サーフ場は福島原発から100キロ南にあり、
波乗りが許可されているのはこの場所からなのだ。
3月11日以来初めてサーフボードに乗る菅原さん
日常への回帰は、サーファーにとっては太平洋の冷たい波から始まる…

「また南相馬でサーフィンをしたいと心から思います。
原発事故が収束してくれることを願ってやみません。
故郷でまた不安のない生活がしたいです。」

不安のない生活… あゆみさんも望んでいるものだ。
今日は郵便が届いた。
ホールボディカウンターの結果
息子達は健康だろうか?

「大丈夫でした。でも弟の方がすこし値が高いようです。
でも基準値以下で安心しました。」
病院は「無害」と書いてきた。
子供達の被曝量は心配するものではないと、
福島事故による被曝はレントゲン検査が一回増えただけのようなものだと医者は言うのだ。

南相馬の週末
町はロックコンサートを催した。
人々が毎日の不安を忘れ、楽しめるように。
短い間でも

「いつも家にばかりいて、他の人に会うことがほとんどありません。
すごく楽しいです。」
南相馬の市長も参加して、
市民を守る約束をした
しかしどうやって? 三浦万尚さんは懐疑的だ。

「市長は人々の味方のように振舞っていますが、何も行いません。
子供達の検査もひどいものです。もっと正確に行わなければいけません。
ここでは誰もマスクをしていません。何も問題がないかのように見せたいからです。」

三浦さんはマスクを配った。人々に危険を教える義務を感じているのだ。
しかし主催者にパニックをふりまくなと抗議される。せっかくの晴れた楽しい日なのに…

人々が熱望しているのは原発事故のなかった福島なのだ。
以前のようなごく普通の生活だ。



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意見広告・選ぶ道は脱原発ではありません。 [原発]

☆最近各新聞に掲載された意見広告です。
まだこんなこと言ってる人たちがいるってことに呆れます。
女川原発が生き残った、優秀だといってますが、女川も言われるほど安全だったわけではなかったのですよ。
偶々運が良かっただけ。
この人たち、今回の事故で、日本の国土を放射能で汚してしまったこと、そのお蔭で多くの国民が被曝したこと、家族や共同体が破壊され避難・移住せざるを得なくなったこと、子供たちの将来の健康のこと、豊かな農畜産物・水産物がこれから何年も安心して食べられなくなったこと、原発現場作業員が被曝していること、そして最低10万年も管理しなければならない核廃棄物のことなどどう思ってるんでしょうか。
そのことには一切触れていません。
エネルギーの安定供給は社会と経済の基盤といいますが、エネルギーの安定供給を言う前に、原発のせいで既に社会と経済の基盤を失ってるではありませんか。
選ぶ道は脱原発しかありません。
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以下↓引用します。

原発事故で大きな岐路に立つ日本。
事故は二つのことを教えてくれました。
事故が原発管理の杜撰さによる人災だったこと、
震源地により近かった東北電力女川原発が生き残ったように、日本の原発技術は優秀だったこと、この二点です。
だからこそ、人災を引き起こした「管理」の問題と、震災・津波に耐えた「技術」の成果を明確に分離して考えることが重要です。
エネルギーの安定供給は社会と経済の基盤です。
いま日本がなすべきは、事故を招いた構造的原因を徹底的に究明し、より安全性を向上させた上で原発を維持することです。
選ぶべき道は脱原発ではありません。
原発の技術的安全性は飛躍的に高まっています。
再生可能エネルギーの開発とともに、国際社会において原子力関連の技術革新・高度な管理システムを牽引していくことこそ日本の国益になります。

asahikoukoku.jpg


☆原発事故の現実です。↓この有様を見ても日本の原発技術は優秀だといえますか。

福島第1原発1号機原子炉建屋4階のビデオ(10月18日撮影)


毎日新聞によると、この作業での被曝は最高9.44ミリシーベルト。


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東電社員家族は地元民に危険を知らせず自分たちだけで逃げた?/東電社員の優遇された生活 [原発]

☆これが事実なら、東電社員はトップから一般社員まで自分たちのことしか考えていないってことですね。
地元民のことなんて考えてないってことです。
他の原発立地の地元民の方々も良く考えておいた方がいいですよ、いざ事故、危険となったら誰にも知らせずに自分たちだけがさっさと逃げてしまうかもしれませんよ。
翻訳家池田香代子氏のブログの記事からの引用です。
東電社員は上から下まで問題あり?そう言われれば東電社員の内部告発っていうのも聞いたことないしね。
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「原発てんでんこ」?
http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51829488.htmlより


引用開始



ずっと心に刺さった棘のようになっているテレビ報道があります。
311からまだ日も浅い、ある日のある民放テレビの報道です。
でも、いまだに事実として受け入れていいのか、迷うところがあるので、慎重に書きたいと思います。

福島の原発近くには、東電社員の奥さんと地元の奥さんの交流グループがあるそうです。
あるいは、あったそうです。
東電の肝いりでつくられたもので、地元の人びとに原発への理解を深めてもらうのが目的だそうです。
テレビのインタビューに答えていたのは、そうしたグループの地元側のリーダーでした。
ご自宅の茶の間とおぼしい畳の間で、 その方は声を絞り出すようにして訴えておられました。およそこんなお話でした。



「地震の翌日(もしかしたら翌々日)、大混乱の中で、東電の奥さんたちは無事かしらと、 電話をかけてみた。
そうしたら、一人残らず遠くに逃げていた。
わたしたちにはなにも言わずに
わたしは、原発のためにいっしょけんめい協力してきたつもり。
東電の奥さんたちとはなかよくおつきあいしてきた。
友だちだと思っていた。
なのになぜ知らせてくれなかった、なぜ自分たちだけ逃げた...理解できない」


逃げること自体に、責められる謂れはありません。
多くは、小さな子どものいるお母さんたちでしょう。
子どもを守るために逃げる。
当然です。
ひっかかるのは、なぜ地元の方がたに原発が危険だという情報が一切流れなかったのか、です。
原発の町に暮らしていた東電家族は、数十にのぼるでしょう。
交流グループのメンバーも数人ではすまないはずです。
学校や保育園の子どもつながりで、地元と親しくつきあってきた方もおられるでしょう。
なのに、テレビに出ていた方の話のとおりだとすると、なぜ誰一人、子どもの友だちのお母さんに、自分たちは避難すると伝えなかったのでしょう。
わたしは、戦争末期に旧満州からいち早く引き上げた関東軍とその関係者の家族のことを思い合わせずにはいられませんでした
日頃は親しくしていても、危険が喫緊に迫ってくるとどうでもよくなる、その程度の おつきあいでしかなかったのか。
かつて東電に勤めていた蓮池透さんは、家族連れで福島の原発に勤務していたことがおありですが、地元とのつきあいはうわべのものでしかなかった、とご著書に書いています(『私が愛した東京電力』かもがわ出版)。
そういうことだったのか、とインタビューに答えておられた方とともに、わたしは深くうなだれるしかありません。

多くの人に危険情報が伝わるとパニックが起こり、道路は渋滞し、スムースに避難することが困難になるかもしれない、という懸念が、情報を社外に出さなかった理由でしょうか。
だとしたら、自分たちだけが逃げるために情報を押さえたことになります
あるいは、会社が逃げろと言っているから、自分たちは従うしかないが、その危険情報がどの程度確実なのかわからない以上、むやみに人に伝えて混乱させるのはよくない、との配慮でしょうか。
それとも、会社が箝口令を敷いたのでしょうか。


いろいろ考えても、やはり避難情報を、せめて自分たちは避難するという情報を、地元のママ友には伝えなかったことを正当化する理由が、わたしには見つかりません。
津波てんでんことは、津波が来たら自分だけ逃げろという、東北に伝わる悲しくも厳しい知恵です。
それが、一家全滅、村落全滅をまぬかれる唯一の道だからです。
このたびの原発てんでんこ、これがもしほんとうに起きたのだとしたら、これは津波てんでんことは同列には語れない、深刻な問題をはらんでいると思います。

事の真偽を確かめたくて、ここに記録しておくことにしました。
ツイッターなどで情報をお寄せください。

引用終了
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☆本当に東電社員家族が地元民に危険を知らせず自分たちだけで逃げたのかについて、
補強するような証言です。↓15~20分あたりです。

東日本大震災 福島第一原発元モニターからの証言 Reported by MIKE-T

実際に『福島第一原発』のモニターとして活躍していた、そして原発により潤っていた浪江町で被災した人からの、地震が起きてからの現地の様子、東電社員の取った行動、住ん­でいた町から離れるまでの証言インタビューを得ることが出来たのでここに掲載する。

続きを読む


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Heute Show 「犯罪会社東電」 [原発]

☆ドイツの(4月1日)人気ニュース風刺番組ZDFHeute Show に福島登場「犯罪会社東電の正体」です。
皮肉たっぷりです。日本は完全に笑われてます。
日本人は何故怒らないのか、ジャーナリストでさえ怒らない。
海外からはこういう風に見られているのです。
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Heute Show 「犯罪会社東電」

ドイツのニュース風刺番組で2011年4月1日に福島事故問題が取り上げられました

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ドイツZDFテレビ「福島原発労働者の実態」 [原発]

☆必見です!!
7分ほどかかりますが是非観てみてください。
日本のTV はほとんど触れていない福島原発労働者の実態を報じています。

作業員達はジャーナリストとの接触を禁止する契約書を交わせられます。
完全な口止めです。だから労働実態が表に出てこないのです。
現場には毎時10シーベルトもの命の危険がある場所があるにもかかわらず、どこが危険か詳しい情報も作業員に知らせなければ、封鎖区域もない状態。
後で病気になっても訴えを起こさないという同意書にもサインさせられるのです。
それにもかかわらず、東電は、「契約書は東電の出したものではない。
下請け会社が作業員と結んでいる契約の内容は知りません。」と知らぬ存ぜぬです。
こんな無責任な東電、非人間的な東電を許していいんですか。

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*山本太郎さんの動画、また消されてしまいました。これで2回目です。また張り直したのでまだ見ていない方は消される前に是非見て下さい。こちら
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ドイツZDFテレビ「福島原発労働者の実態」


ドイツZDFテレビFRONTAL21 Arbeiter in Fukushima「福島原発労働者の実態」

・ナレーションでは、山下氏の発言は、「動物実験はありませんが」になっていますが、彼は、「これは明確な動物実験でわかっています」とはっきり言っています。



▽日本語訳

我々は強制避難区域に向かう途上にある。
福島第一原発まで後30キロ。
この辺りの村落はほとんど死滅している。
避難地域だ。
この学校ではもう授業はない。
生徒と教員は他の学校に振り分けられた。
どこも荒れ果てた田んぼ、放置された土地。
ついに“Jビレッジ”が見えた。
かつてのサッカー日本代表のトレーニングセンターだ。

3.11の三重災害後は、原発事故収拾作業の拠点である。
20キロ避難区域に位置し、許可のない立ち入りは禁止。
原発で働く作業員はここに戻ってくる。
ジャーナリストは歓迎されないため、我々は脇道から侵入し、こっそりカメラを回す。
迂回路は20キロ圏内深く入り込む。

ここで3人の作業員が、彼らのの非人間的な労働条件について話してくれることになっている。
彼らは身元がわれて報復されることを恐れている。

「この地方にはもう仕事はありませんそれで東電の仕事をしています。
喋ったことがバレたらクビです。
そうしたら他に仕事もない、家族を食べさせていけません」

東電と下請け会社は 何よりも情報漏えいを恐れている。
作業員達にジャーナリストとの接触を禁止する契約書を発見した。

引用「この契約により本業務を行うにあたり、福島第一原発構内外に関わらず、知りえた情報に関して(書面、あるいは口頭・目視など形態に係わりなく)厳に秘密を保持するものとする」。
さらに「作業員は各種報道機関からの取材は、業務情報の如何に関わらず一切受けないものとする」。

作業員達は原発内での仕事の条件について話してくれた。

上層部が秘密を守ろうとするはずだ。
敷地内では続々とホットスポットが見つかるのだ。
しかし作業員はたいてい後でテレビを見てそれを知る。
8月上旬に致死量を越す放射能10シーベルトが発見された時もそうだ。

命の危険がある場所がどこかも教えてもらえない
説明会で少し注意されるだけで、どこが危険が詳しい情報もなければ、封鎖区域もない」。
放射能は目に見えない、感触もない、また作業員に測定さえ出来ないことがある。
「私の測定器はマイクロシーベルトしか測定できません。
原子炉建て屋に入るとエラーが出ます。
測定器が測定しきれないくらいの高い数値なのです。」

高濃度汚染区域にはロボットが使用されているものの、
原発内の仕事は決死のものだと放射線専門家は警告する。

作業員は外部被曝だけでも極めて高いものを受けます。 呼吸や飲食から受ける内部被曝も加えると大変な量です。 最近計測された10シーベルトは、計測器が振り切れたのでそれ以上かもしれません。 人間は7~8シーベルトの被曝で死んでしまいます」。

しかしもっと低い被曝量でも長い期間受け続ければ、
作業員やその子孫に、深刻な健康被害を与える可能性がある。
「男性の精巣が高い被曝を受けると、生まれる子供の染色体が損なわれ肩から指が生えるというような手足の奇形や、中枢神経の異常、知能障害などを引き起こすことがあります。」

作業員達は逃げ場もないまま 様々な恐怖に怯える。
放射能の恐怖、失業の恐怖、そして東電への恐怖。
二人は原発から遠く離れた我々のスタジオでなければ、話をしてくれなかった。

「十年後、二十年後、病気で仕事ができなくなるのが不安です。
そしたら家族をどう養えばいいのか…
子供が健康に生まれてくるかどうかも心配でたまらないです。」

“そんな心配は非科学的である”
そのように事故直後の情報セミナーで主張したのは、福島県の放射線防護健康アドバイザーである。
数々の肩書きを持つこの医者(山下俊一氏)は大真面目に言う。

「ニコニコ笑っていれば放射能の被害は受けない、くよくよしていると受ける」と
動物実験はありませんが、これは明確な動物実験でわかっています。困難なときにもくよくよしなければ健康被害はないのです」
「毎時100マイクロシーベルト以下ならいずれにしろ健康には害はありません」
毎時100マイクロシーベルトは年間に換算すると876ミリシーベルトドイツの原発労働者の被曝許容量は生涯400ミリシーベルトだ。

日本の行政はそれでも被曝リスクの過小評価を続け、 原発作業員に相当の報酬を支払う必要はないとする
毎日被曝を受ける労働者なのに、
我々の取材に応じた人達が下請け会社との契約を見せてくれた。
原発での仕事は日給は約一万円。
危険に対する特別手当を得るには、条件を飲まなければいけない。
「危険特別手当を受けますか?
それではサインして下さいと言われる。
一時間千円の手当てです。他に選択肢はないのでサインをします。
それは 後で病気になっても訴えを起こさないという。 同意書のサインなのです」

こうした苦情が事実かどうか確認しに我々は東電本部を尋ねた。
広報担当者は無関係を主張する。
「作業員は現場でリスクの説明を受けていると聞いています」と言う。
それに契約書は東電の出したものではないと
下請け会社が作業員と結んでいる契約の内容は知りません
我々が知りたいのは、東電が自分の事故を起こした原発で働く人間に 責任を感じないのかということだ。

「すみません、契約内容を存じませんので、コメントもできません」
事故を起こした原発の汚い仕事をダンピング価格で請け負わされる作業員
責任逃れの一点の雇用者
笑えば放射能から身を守れるとアドバイスする医者
これが日本式の人権蹂躙である。




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原発事故「怠惰な国民のせい」自民議員が責任転嫁発言 [原発]

原発事故「怠惰な国民のせい」 自民議員が責任転嫁発言


衆院復興特

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 原発事故の遠因は日本人の怠惰な生き方――。

5日の衆院震災復興特別委員会で、こんな珍説が飛び出しました。
発言したのは自民党の額賀福志郎議員で、「都合の悪いことは聞きたくない、危険なことは見たくない、できるなら楽をしたいという戦後(日本)の社会的な生活感覚、怠惰な生きざまが遠因になった」と述べました。

 「安全神話」にどっぷりつかって重大事故を招いた自民党政権の責任に反省もなく、“国民性”に責任を転嫁するとは開いた口がふさがりません。

 もう一人、無反省ぶりをさらしたのが同党の西村康稔議員
電力不足への不安が企業の海外移転を加速している。『来年の夏までに』なんていっている場合じゃない」と早期再稼働を督促しました。
海外移転」を口実に原発「再稼働」を急がす財界にいいなりの質問で、政権から転落しても抜け出せない体質のようです。

 原発輸出についても西村氏は、世界では496基の原発建設計画があるとして、政府が積極的に売り込むよう求めました。
福島原発事故の収束さえできていないのに、これまた財界いいなりぶりを際立たせました。

 野田佳彦首相も、事故原因の究明もまともな規制機関もないのに再稼働を進めていく考えを表明。
原発輸出についても「原子力協定を結んでいる関係国との信頼関係を踏まえて協力していく」と応じました。 (吾)

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☆自民党は、永年原発を推進してきた自分たちの責任を棚に上げて、原発事故は「怠惰な国民のせい」ですか・・・・。
よくもまあ言えたもので・・・
仮に、国民に「都合の悪いことは聞きたくない、危険なことは見たくない、できるなら楽をしたい」という面があるとしても、それは自民党を始めとした原子力ムラが、なんでも都合の悪いことは言わない、危険なことは見せない、後は札束で横面ひっぱたいて黙らせるってことをやってきたからじゃないんですか。国民のそういう面につけいってきたってことでしょう。その責任の方がもっと重いんじゃないですか。
それに西村康稔議員、「電力不足への不安が企業の海外移転を加速している」って、企業の海外移転は今に始まったことでないでしょう。何でも原発停止に責任転嫁するのはいい加減にして欲しいですね。
この自民党の額賀福志郎議員と西村康稔議員は、原発推進派だということが分かりましたね。
(西村康稔議員は経産省出身でガチガチの推進派、原発族一覧表にも載っています。)
この二人、次回選挙で落としましょう。。
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テレビはフクシマをどう伝えたか② [原発]

☆前日に引き続き、放送を語る会の各テレビ局ニュース番組の検証「テレビはフクシマをどう伝えたか」の続き②です。
長い文ですが、赤字・太字だけでも読んでみてください。
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各ニュース番組の報道姿勢


(1)ゲストの選び方

4 月、どの局にも共通して言えることは、原子力行政に批判的な学者や研究者は一人も登場していないことである
すなわち、原子力資料情報室・伴英幸、京都大学原子炉実験所・小出裕章、立命館 大学名誉教授・安斎育郎、神戸大学名誉教授・石橋克彦といった研究者、内橋克人、廣瀬隆、広河隆一ら評論家やジャーナリストである。

これと対象的に、レギュラー出演していたゲストを見ると、NHK の場合
東京大学大学院・関村直人教授…直近まで経済産業省総合資源エネルギー調査会・原子力安全・保安部会・原子炉安全基盤小委員会委員
東京大学大学院・岡村孝司教授…同調査会・原子力安全・保安部会原子炉安全小委員会保守管理検討会主査
大阪大学山口彰教授…同原子力安全・保安部会原子炉安全委員会委員であって(「週刊金曜日」4/29 号による)、原子炉に関する解説を担当していたのは、すべて原子力行政に協力してきた研究者だった。

民放の場合、直接行政に携わった人たちではないが、TBS の専属のような形で登場した寺井隆幸東京大学大学院教授元原子力委員会会長代理の斉藤伸三氏らは、再三出演して東電の方針や立場を容認するような発言をしていた。

「ニュース23 クロス」では、津波や地震のメカニズムに関する専門家を招いてはいたが、事故
に関する根本的な考え方や処理方法については、もっぱら常連のゲストにしか発言させなかったのは、メディアの姿勢が問われるところである。

フジテレビは「スーパーニュース」「ニュースJAPAN 」とも東京工業大学原子炉工学研究所助教澤田哲生氏を起用。
東電擁護の発言が目に付く反面、詳しくわかりやすい解説と評価する視聴者の声もあった。

このほかテレビ朝日「報道ステーション」では、朝日新聞論説委員・三浦俊章、朝日新聞編集委員・五十嵐浩司の両氏が週2 日ずつ登板し、基本的にはスタジオゲストを呼んでいない。
ただし、金曜日のみゲストコメンテーターとして著名人(津波や原発の専門家ではない)をスタジオに招いている。


(2)報道姿勢全般での特徴、問題点

今回調査、分析したニュース番組に共通の特徴として、被災地報道の充実と原発批判の声の排除という二面性があることが指摘できる。

① 被災者の状況について多様で幅広い取材が行われている。
震災被害も原発災害でも、被災者、避難者の声と、直面する状況が丹念に伝えられている。
とくに原発災害で避難を余儀なくされた人びとの怒り、悲しみの声が、かなり切実な内容を伴って取り上げられており、現地で取材するスタッフの奮闘が想像できる。

しかし、これらの声が原発そのものの批判として、又原発に対する「要求」というレベルでは位置づけられておらず、「悲劇の描写」にとどまっているきらいがある。

② 一方、原発事故に関しては、原発そのものを問う立場の意見なり世論が、明確に排除されている。
事故後、脱原発という世論、流れが大きくなっているにもかかわらず、そのような立場の識者、市民の声が、放送にはまったく反映されていない


③ 伝え方での幾つかの問題~基本的な特徴との関連で~

a)多角的に事態をみるという視点の欠如~別の見方が示されない

原子炉の状況や放射線量について、ほとんど単独の解説者の解説が行われている。
b)原発・原子力行政を歴史的にみる視点の欠如

過去の原発に関する政治を振り返って批判する視点は見られない。
地震学者の石橋克彦氏の専門家としての警告、日本共産党の数度にわたる国会質疑による警告、また専門機関の調査などが無視され続けた経過の検証はまったく見られない(新聞メディアでは存在)。

c)原発そのものを問う視点の欠如

原発そのものを問う市民や識者の見解、運動がほとんど排除されている。
原発の本質にかかわる使用済核燃料の処理の困難さ、これまでも日本各地の原発で海が汚染されてきた状況、といった調査 報道が不在である。

d)行政に対する被災者の要求を探しあて伝える姿勢が弱い

東電対避難先の被災者、東電対農漁民、菅首相対被災者、の厳しいやりとりは伝えられているが、そこからその声をどう受け止めるか、という一歩先まで追及する取材が欲しい。
これらのシーンを紹介した、というところで止まっている。
放射線量についても、どれだけ危険なのか、累積した場合はどうか。
現に今福島第一原発から放射性物質がどれだけ放出されているか、といった重要な点が追及されず、ニュースとして「客観的ならいい」という姿勢が感じられる。
全体にもう一歩進むべきニュースが多い。


原発とその周辺の取材の自主規制の問題

避難区域の20 キロ圏内にも少数ながら住民が居り、原発では多くの作業員が作業に当たってい
る。
4 月の各局ニュース番組では、原発がどうなっているか、周辺地域の汚染がどの程度のもか、
などの自主取材がほとんど行われていない。

NHK は3 月、内部文書で、「原発周辺での取材は政府の指示に従うこと」としているが、民放各社も同様の規制をしていた可能性がある。
取材者が不用意な被ばくを避ける配慮は必要だが、この重大な事故の現場と周辺の取材が横並びの「自主規制」があるかのように控えられているのは、ジャーナリズムのあり方として問題がないか検証すべきである。

以上の特徴に加えて、番組個々について付け加えるならば


NHK 「ニュース7」

ニュース7 はNHK のメインニュースであり、その日のニュースをまとめる存在でもある。
しかし、作業員の下請の実態など朝は時間をかけてリポートしているにもかかわらず、「ニュース7」には入らないことがしばしばあった。
反原発の研究者もラジオには出演してもテレビでは起用しない
視聴率の高い時間帯のテレビでは問題の核心を覆い隠そうとする、そうした姿勢の表れではないか。

NHK 「ニュースウオッチ9」

前述の②に関して、反原発、脱原発の立場からの発言を排除していることは異常ですらある。
ニュースとして、この時期、事故の収束に関心を集中させざるを得ない事情はあるにせよ、「意見が対立している問題については、出来るだけ多くの角度から論点を明らかにすること」(放送法第3 条の2「番組編成準則」)という規定に違反する状態とさえいえる。
ここに、これまでのNHK 報道局の原子力政策に対する姿勢が示されているのではないか
視聴者としては、NHK のあり方に関わる問題として、厳しい批判の声を挙げるべきであろう。

また、被災者の報道に関して、我慢し、耐える面が強調され、加害者の姿に言及しない報道が見られる
原乳を捨てざるを得ない酪農一家が困難に直面したニュースで、「一家は家族の絆でこの苦難を乗り越えようとしています」とまとめたのは典型例だ。(4 月11 日)

日本テレビ


一つの局の複数の報道番組を比較することで番組ごとの棲み分けをしていることが見て取れる。
その典型が、4 月の場合エネルギー問題だった。
「news every 」では解説主幹が「脱原発で化石燃料が復活することで地球温暖化が加速する」と懸念を表明し、原発推進の態度をそこはかとなく示している。
一方、「真相報道バンキシャ」では代替エネルギーとしての風力発電の可能性に言及、わが国で原発40 基分の可能性があることまで指摘していた。
4 月30 日「ウェークアップ!ぷらす」が取り上げたのは「エネルギーの未来像」だった。
ここでは原発推進、反原発、中間的な立場それぞれ複数の人物が登場し、原発の是非、未来のエネルギー問題まで多岐にわたって、長時間の討論が繰り広げられていた。

この局の場合、「バンキシャ」は特にスクープ性の濃い話題を提供しようとしているようだ。他社に先駆けて、現場の作業員へのインタビューを敢行したり、フリージャーナリストを20 キロ圏内へ送り込んだりしている。

テレビ朝日「報道ステーション」

特徴としては、基本的にスタジオにゲストを招かないことか。
また、ほとんどがVTR で構成され、スタジオとしてのコメントにはそれほど強さを感じなかった。
それが少し物足りなさを感じさせる。
VTR の作り方は意図的なものは感じず、総じてバランスよく伝えていたと思う。
視聴者としては、与えられた情報をどのように受け止め、咀嚼していくかが委ねられているような演出の仕方である。
これは演出方法として一つのあり方である。
ただし、その場合は判断材料として、出来るだけ多くの情報が提供される必要があろう。
時に、専門家からの意見を聞きたいと感じたのもその表れの一つで、そのためには必要に応じてスタジオにゲストを招くべきであろう(これまでも皆無ではなかったが)。

TBS テレビ「ニュース23 クロス」

① この番組全体から見れば、4 月中毎回30 分前後の時間をこの問題に振り向け、局挙げての体制を組んだことは評価できる。
② 松原、膳場両キャスターとも、度々現地を訪れて熱のこもったレポートをするなど、大震災・原発事故災害の報道に積極的に取り組む姿勢がうかがわれた。
③ 特に避難区域、計画的避難区域などでは、避難を強いられる人々の不安や経済的困窮の実態などを弱者の視点から問題点を指摘し、行政や東京電力の対応の遅れなどを追求する態度も見られた。
④ その反面、第1原発の災害の原因究明や、災害の収束に向けての国や東京電力の責任追及に関しては、記者会見でのコメントやスタジオのゲストの見解をそのまま伝えることが多く、深く掘り下げて究明する努力が足りず、もどかしい感じがあった。
この時期、どちらかといえば日々の出来事を伝えることに追われていたというべきか。
⑤ その一方で、4 月6 日の「密着アメリカ艦隊‘トモダチ作戦’支える兵士たちの思い」など、形ばかりの米軍の支援活動を3 回も紹介するなど、過剰報道もあったのは問題である。

フジテレビ


「スーパーニュース」「ニュースJAPAN 」とも同じような制作スタンスを持ち、取り上げられる話題も共通したものが多い。
全般に、ナレーション、解説、ゲストコメントでは、事故の個々の局面での対応、情報公開の姿勢などについて、時に政府・東京電力に厳しいコメントも展開するが、脱原発、エネルギー政策の見直しなど根本的な問題には殆ど触れていない
報道をきっかけに起こるパニックを抑制し、原発依存・推進路線を維持しようとの意図が透けて見える。
こうした、事故を小さく見せ、原発依存・推進を報道の基調に据えようとする背景に、メディアと大スポンサー東電との癒着が疑われる
すなわち、フジテレビ・ニッポン放送を傘下におさめ、産経新聞も実質的に支配するメディア企業複合体「フジ・メディア・ホールディングス」の監査役には、南直哉元東京電力社長が2006 年以来座りつづけている。南氏は2002 年原発事故隠しの責任を取って辞任した経歴を持つ(「週刊金曜日」5/27 号による)。

伝え方での幾つかの問題点


① 復旧作業の報道で、投入されたロボット、ポンプ車、放水車、防護服など機器の性能や使用法に異常なまでに詳細な解説が施されていた。
国民の関心とかけ離れたマニアックな報道である。

② 自衛隊、米軍の救援活動も他社に比べ、非常に手厚い報道が行われている。
自社の判断によるものか、当局のPR 作戦への便乗か、いずれにせよ度をわきまえた報道が必要であろう。
それは、天皇の被災地訪問についても言えることだった。

木村太郎コメンテーターのスタンス、取材現場、視聴者の気持ちと乖離している場合が多い。

(例)
・番組の中で、菅首相に対し、民主党のマニフェストを放棄し増税せよと呼びかける
・原発の賠償を巡って電力料金が値上げされるのでは、との問いかけに「東電は当然責任があるが、誰かが払わねばならない」と東電に甘い姿勢。

終わりに

この記録と分析をまとめている最中、原発事故は発生から5 ヶ月を迎えた。「工程表」上の第1ステップは一応当初の目的を達成したと発表されている。
しかし、浄化装置は安定して作動しているわけではなく、事故は一向に収まる気配を見せていない。
原発そのものもさることながら、ホットスポットは全国に広がり、福島県や宮城県の肉牛からは高濃度のセシウムが検出され、出荷が停止されている。
栃木県で生産された腐葉土からも高濃度のセシウムが検出された。
原発が一旦暴走を始めると危険は際限なく広まっていく恐ろしさを我々は目の当たりにしている。
しかも、その危険性が一体何時まで続くのか誰にもわからない。
そうしたなか、国は「原発安全」を宣言し、九州電力の玄海原子力発電所が再開される寸前にまで手続きが進行していた。
この件に関しては、菅首相の突然の「ストレステスト」発言がとび出し、九州電力の「やらせメール」事件が暴露され、再開は中断した形になっている。
しかし、経済産業省や電力会社は再開の意向を変えてはいない。
この間ニュースでの原発及び原発事故の伝え方は変ったのだろうか。
基本的には相変わらず政府発表の原子力政策に寄り添っているのではないか
たとえば、7 月末、YouTube に掲載された児玉龍彦氏の衆議院厚生労働委員会での参考人陳述を伝えたテレビはなかったのではないか。
東京大学アイソトープ総合センターの所長を務める児玉氏は、内科医の立場から子どもの被ばくを大変憂慮している。
しかし、国は有効な措置を何一つ講じていない、と氏は訴えたのだ。
氏の計算によれば、今回の事故で飛散した放射性物質の量はウラン換算で、広島型原爆の20 個分だという。
だが、放射線量を計測する手立てを国がおこたっているばかりか、放射能の危険性が充分認識されていないと訴える。
こうした極めて重要な情報をテレビは報じていない。
児玉氏の発言はほとんど一般には知られることなく時が過ぎていっている。
そして、最も検証が必要な「原発事故の原因と責任」については相変わらず曖昧なまま事は進んでいるのではないか。
ひるがえって、私たちが調査の対象とした4 月、事故の責任を追及する何らかの報道は存在したのだろうか。
結論から言えば、ほとんどゼロであった。
が、その中で僅かではあるが、責任問題に触れ
たゲストの発言もあった。

フジテレビ「ニュースJAPAN 」(4/27)「スーパーニュース」(4/28)
原子力委員会専門委員・青山繁晴氏「安全神話に胡坐をかいていて、このような事態を想像していなかった。だから僕にも重大な責任がある。ただ、原子炉が自動停止しても、冷却できなければ駄目なので、そこを何とかしろと12 年まえから主張し続けてきた」と発言。

NHK 「ニュースウオッチ9」(4/8)
大阪大学教授・山口彰氏「(全電源喪失を想定できなかったという)甘かったところは反省し、今後どうするか考える必要がある。安全指針は、非常用電源が壊れても短時間で回復するという考え方だった。外部電源も複数あるので、どれかが数時間で復旧するという前提で考えていた」と反省の弁。

NHK 「ニュースウオッチ9」(4/11)
こうした中で、「ニュースウオッチ9」に出演した作家・柳田邦男氏の発言は、事故の初期からあった「想定外」という発想、あるいは思想を具体的に批判し、事故の核心に迫った珠玉の言葉として特筆しておく必要があろう。
「(今回の事故は)人智を超えた災害ではなかった。平安時代の記録がある。通産省の審議会で問題提起されている。行政と東電、工学の専門家はそこまで考えたらコストがかかって物が作れない、どこかで割り切って線を引こうと、マグニチュードは8、津波は5 メートルにしようと決めた。科学的に見えて、想定の線を引いた途端に科学が放棄される。それ以上のことは起こらないことにしようという、全く主観的な判断力が働く」。

原発が地震や津波に弱いという指摘は、1990 年代から再三繰り返されてきた。
しかし、国も東京電力も警告を無視し続けてきた。
柳田氏の言う「科学が放棄された基準」がまかり通り、「安全神話」が創りあげられ、その言葉の上に安住してきた。
それは経済界の要請でもあった。
そして、官界、財界、電力会社、それに学会とマスコミまでもが加わって強力な「原子力村」を形成し、原子力発電を推し進めてきた。

今回の原発事故はそうした悪きしがらみを絶って、原発報道において、報道機関がジャーナリズムとして自律できる絶好の機会なのではないか。
そのためにも歴史に学び、今回の事故の原因と責任について、納得のいく検証をする必要があるのではないか。

5月以降NHK をはじめ民放各局で原発事故に関する優れた特集番組が紹介されてきた。
放射能汚染の実態、欠陥に気づきながらも改修に踏み切らなかった東電の怠慢、日本に原子力発電が導入された経緯など、それまで日常のニュースでは伝えられなかった原発事故と原発そのものの実態が次第に明らかにされてきている。

日常のニュースの中でもこうした問題が積極的に取り上げられることを切望する。
原子力発電に関しては、使用済核燃料の処理、廃炉の問題など課題は山積している。
再生可能エネルギーについても積極的に議論をすすめていく必要がある。
報道各社に課せられた責任は重い。
しかし、その職責を全うした先には新しい地平が開けるはずである。
それを示すことこそジャーナリズムが果たすべき役割であろう。



重要項目別各局ニュース番組の概要(2011 年4 月1 日~30 日)

(1)「レベル7」への引き上げについて

NHK ニュース7
12 日:30 分以上使って「 レベル7」 になった経緯などを報道、枝野官房
長官「申し訳ない事態だがチェルノブイリと違い、直接的な健康被害は出さないで来られた」。
だが避難している人たちや風評被害への懸念に応える内容にはなっていない
ただ、水野倫之解説委員は「現状ではチェルノブイリより下であるが、技術大国の日本でレベル7 の事故をおこした事は深刻で、世界は厳しい目で見ている」 と指摘。

ニュースウオッチ9
12 日: 放出された放射性物質がチェルノブイリより一桁少ないと報道。
スタジオ出演の岡本孝司東京大学大学院教授「チェルノブイリは一度の爆発で避難が遅れた。福島は地震で避難、被ばくの被害は桁違いに少ない」 と解説。
ただ「チェルノブイリと違って放出が続いていることは注意が必要」 と指摘。
大越キャスター「 見えない恐怖にさらされている人たちにリスクへの心構えも含めて確かなメッセージを伝えることは大切な政治の役割」であるとし、菅総理が「 レベル7」 について答えなかったことを批判した。


日本テレビ

news every
12 日: スタジオの倉澤解説委員「チェルノブイリは死者30 人、被ばく作業員約24 万人、放射性物質量520 万テラベクレル。一方福島は死者0 人、被ばく作業員21 人、放射性物質量37 万テラベクレル。したがって軽々に比較すべきでない」と発言。
また柏谷解説主管は「原発危機が脱原発につながっていくと化石燃料の復活、強いては地球温暖化へ進む恐れあり」との懸念を表明
だが、代替エネルギーについては言及なし。


シューイチ
17 日: スタジオゲストの手嶋龍一氏「日本は原子力の安全性について国民的な議論がなされていず、コンセンサスもとれていない。政府、東京電力は今回の事故を教訓に国民に安全性について改めて問いかける必要がある」と発言。


テレビ朝日

報道ステーション
12 日: チェルノブイリとの比較は他局と同列。
ただ、レベル4 から5 そして7 へあがったことについてロシア、韓国、中国、アメリカの反応を紹介、諸外国の見方に重点を置いていた。
スタジオ五十嵐浩司朝日新聞編集委員「こういう深刻な事態であることを国民は知っていた。責任ある人が節目節目で何故そういう判断をしたか、見通しはどうなのかを説明して欲しい」とコメント。
しかし、いまひとつパンチが足りない感じ。説明責任を果たさない
政府に対する追及は弱い。


TBS

テレビニュース23 クロス
12 日: 原子力安全・保安院、東京電力の発表に併せて、飯舘村菅野村長、木村福島県知事の原発への懸念を紹介韓国とドイツのメディアの反応についても伝えた。
スタジオ出演の寺井東京大学大学院教授、「レベル7 との判定の遅れは放射能の総量などの計算に手間取ったため」と東京電力の立場に立って解説。キャスター2 人からの疑問「レベル7 の発表の仕方、真相にどこまで迫れるのか」などには明確な回答は得られなかった。
他の研究者、専門家の見解はなし。


フジテレビ

スーパーニュース
12 日: 保安院の発表と対比して、「いまも放出は止まっていない」「 海に放出された汚染水がカウントされていない」 事をコメントで説明。
「 レベル変更の説明不十分。非科学的」 とコメンテーターは批判的な指摘。
13 日:NY タイムス「放射性物質の大量放出を日本政府が認めるまで1 ヶ月かかっている」ロシア国営原子力企業広報担当「評価行き過ぎ」を並列して紹介。
「遅すぎた」が大勢を占める海外の反響との間にズレを感じさせた。

ニュースJAPAN
12 日:V リポは、チェルノブイリ事故の最近の状況と比較しながら「レベル7」の重大性をリアルに伝えた。
一方、澤田哲生東京工業大学原子炉工学研究所助教「チェルノブイリより規模が桁違いに小さい」と、福島の比較的「健全な状態」を強調。併せて、「 レベル7」 への引き上げ理由を「原子炉3 基の炉心損傷、2 号機格納容器の一部破損、高濃度汚染水の大量流出。
一番大きいのは放射性物質が空気中、海水に放出されたこと」と危機的状況も率直に指摘。


(2)「工程表」はどう報道されたか

NHK

ニュース717 日: 海江田経済産業大臣「6~9 ヶ月後に住民が帰宅できるかどうか判断」。
山崎淑行記者「現地では余震もあるので計画通り工程表が進むかどうか不明」。
ニュースウオッチ9
18 日: ゲストは岡本孝司東大大学院教授。
工程では、設備の復旧だけでなく、たまった汚染水を処理して、圧力容器に戻す新たな設備の構築も目指されていると指摘。
また、格納容器を水で満たす「水棺」の内容と効果について解説。
ただ、どこが難しいのか、実現の可能性などについては楽観的な解説との印象あり。



日本テレビ

news every
18 日(月)報道なし


テレビ朝日

報道ステーション
18 日: 京都大学原子炉研究所・中島健教授「格納容器に大量の水を入れることの危険性、高濃度の放射線の中での作業の可否」などを例に、工程表どおりに進めることへの懸念を語る。
コメントも「果たして計画通りに進めることが出来るのか」と疑問を呈す。
一方、五十嵐朝日新聞編集委員は「 工程表が示されたからには、次は住民が何時故郷へ帰れるか、其の道筋を示すことが政治の責任」 と発言。

TBS

テレビニュース23 クロス
18 日: キャスター2 人とも疑問を呈す。
寺井東京大学大学院教授も作業環境の劣悪さから工程実現の難しさを認める。
地元の酪農家、避難住民も疑心暗鬼。
ただ、作業に直接関わる人たちの声はなし。

フジテレビ

スーパーニュース
18 日:V リポ「 工程表に不安の声」 を詳細に報道。東電発表の工程表の「 水素爆発の恐れ」「 電源喪失の可能性」 などと朱筆された部分に注目したもう一つのV リポ「 工程表赤文字の真相」 と併せて、実現性に強い疑問を呈した。
これと対象的に、スタジオの木村コメンテーターは工程達成に楽観的な意見を披瀝、東電擁護の姿勢をにじませる。

(3)原子炉の状態、汚染水について

NHK ニュース7

4 日: 東京電力、低レベル汚染水を海に放出すると発表。
水野解説委員「低レベルとはいえ、海への放出は許されないことだが、緊急事態としてやむをえない措置。空気中の放射性物質と併せて政府、東電はもっとしっかり説明する必要がある」と解説。
ただ、体内外被ばくに対する政府の認識については言及せず

ニュースウオッチ
1 日: 山口彰大阪大学教授「4 号機の下部は健全である可能性が高い。燃料プール冷却系を生かせば、冷却は安定する」
4 日: 岡本孝司東京大学大学院教授「汚染水の海洋投棄は、背に腹はかえられぬやむをえない措置。法律上は問題ないが可能な限りやらない方がいい」
6 日:1 号機に窒素ガス注入を検討。
岡本教授「水素爆発の予防的措置」。
大越キャスター「 窒素注入のリスクは?」 、岡本「 放射性物質の更なる漏洩、冷却能力の低下、炉心の不安定化、水素爆発のリスクあり」
14 日: 汚染水の上昇についてのコメント「注水は続けなければならない。しかし、核燃料は溶け出して原子炉の底にあると考えられる」


原子力学会澤田隆副会長の談話「このまま冷やし続ければ2~3 ヶ月のオーダーで安定するだろう」。
チェルノブイリ事故技術顧問武田充司氏の談話「 チェルノブイリより対策は立てやすい。しかし数が多いという困難はある


日本テレビウェークアップ!ぷらす
30 日: ゲストの飯田哲生環境エネルギー政策研究所長「原子炉の安全審査が形骸化している。電源喪失は想定していなかった」と発言

news every
9 日: 低濃度汚染水の海洋放出、1 号機への窒素注入を報じる。原子炉損傷調査のためアメリカ製無人ヘリを飛ばすことも。
18 日: 原子炉建屋内部の放射線量測定にアメリカ製ロボットを投入し、データ収集を行うと報じる。
この日、作業員の被ばく線量上限を100 ミリシーべルトから250 シーベルトに引き上げる。
26 日:1 号機冷却のため注水量を一時的に通常の2 倍にすると報道。

真相報道バンキシャ
10 日: 福島第1 原発を襲った津波の高さ15 メートル。
トレンチにたまった高濃度汚染水の深さが92 センチに達していることを報じる。


テレビ朝日

報道ステーション
6 日: 高濃度汚染水の流出とまる。
しかし「流出ルートをふさがれた汚染水の行き先は不明」とのナレーション。
7 日:1 号機への窒素注入順調。
「 アメリカは原子炉内部に懸念を抱いている」 とのアメリカ議会のVTR も紹介。
11 日: 震度6 弱の余震で冷却水ポンプ一時停止、其の後注水再開のニュース。
14 日:3 号機圧力容器で温度上昇。地下水放射性物質濃度1 週間で10 倍に。
三浦俊章朝日新聞論説委員「きちっとした検証が必要。今すぐ出来ること、それは事故発生からこれまでの記録をありのままとっておくこと」と発言。
原子炉の状態などはほぼ毎日ナレーションとVTR でわかりやすく説明されていた。

TBS
テレビニュース23 クロス
6 日: ゲストの齋藤伸三元日本原子力学会会長・原子力委員会元委員長代理「圧力容器下部と貫通部から水素と酸素が漏れ、水素爆発を惹き起こす危険性」を指摘。
7 日: 齋藤氏「格納容器は現時点では健全」と発言。
一方、原子力安全・保安院は「 メルトダウンを想起させるデータあり」 との見解を表明。
両者の間に違いがあるのかどうかは解説されず。
8 日: 地震直後からのデータ初公開。
九州大学特任教授工藤和彦氏「12 日には燃料棒最下部まで空焚き状態になるなど、危険な状態にあった」と発言。
20,21 日: 無人ロボットによる建屋内部の映像公開。
しかし、原子炉本体の様子はわからず。

フジテレビ
スーパーニュース
当初は東電発表を忠実、詳細に報道。
しかし、放射性物質の環境や住民の健康について及ぼす影響については、科学的視点からの独自取材は殆どなかった。
メディア自身も視聴者の不安をあおり、パニックに陥ることを恐れて予測報道を控えたきらいがある。
しかし、「レベル7」に引き上げられる前後から、原子炉の損傷状況や危機について隠さずに伝えようとする論調の微妙な変化が感じ取れた。

ニュースJAPAN

(4)a 放射能汚染の状況と放射線量

NHK
ニュース7
5 日: 茨城沖のコウナゴから基準値を超えるセシウム検出。
県内の全漁連コウナゴ漁中止。
6 日: 茨城の全漁連、東電に抗議。
東電、漁業関係者に陳謝。
漁業者「 汚染水の放出は早急にやめよ」 と抗議の声。

ニュースウオッチ9
1 日: スタジオゲスト、長崎大学大学院教授山下俊一氏「100 ミリシーベルトまでなら問題ない。洗えばおちる。メディアは正しい情報を伝えることが大事」と述べる。
2 日: 放射線医学総合研究所内田義也博士「もともと日本人の半分は癌になるので放射能との因果関係はわかりにくい。成人100 ミリシーベルト、子ども30 ミリシーベルトで、癌発症率0.5 % 増(ICRP の計算)」と解説。
7 日: 東京女子大学名誉教授廣瀬弘忠氏「放射能だけでなく、色々な危険の中で我々は生きている。放射能も、危険ではあるがその中で生きることも考えねば。そのためには、国はウソをつかない、隠さないことが大事」と主張。
しかし、疫学的なデータや、低線量被ばく、内部被ばくの危険性について警告する専門家の見解は紹介されず。

日本テレビ
真相報道バンキシャ
10 日: フリージャーナリスト神保哲生氏、20 キロ圏内に潜入リポート。
圏内にはまだ200 人の人が暮らしていること、原発作業員へのインタビューなどを紹介。

テレビ朝日
報道ステーション6 日: 大気中の放射線量を街頭大型ビジョンに表示、「 東京都内は、震
災前よりやや数値が高いが、低下傾向にある」 と解説。
11 日: 福島県飯館村、周辺地域より放射線量高い。
「健康への影響が懸念される」 と報じる。
20 日: 原発20 キロ圏封鎖。
山下俊一長崎大学大学院教授「安全を考えての非常に厳しい基準。年間20 ミリシーベルトを超えたからといって、直ちに健康に被害が出るというものではない」と述べる。

TBS
テレビニュース23 クロス
4 日: 低レベル汚染水の海洋放出について、寺井東京大学大学院教授「海水の汚染は、海流が海のかなたへ行ってしまえば濃度が薄まるから問題ない」と発言。
その反論もないまま番組は進行。
5 日: 韓国、ロシアから抗議のコメント。
これを期に海流と汚染についてのグローバルな視点での取材が欲しかった。
15 日: 同心円的避難区域の設定についての問題点を報道。
被災地の正確な汚染マップが作られていないことを、JCO 事故の調査に当たった田中俊一・元日本原子力学会長の話を軸に構成。
臨場感にあふれる好企画。

フジテレビ
スーパーニュース
5 日: 北茨城沖のコウナゴから高い数値の放射性物質検出のニュースを受けて、首都大学東京・大谷浩樹教授「超えたからといってすぐに健康に害が出るわけではない」と発言。

ニュースJAPAN
4 日: コウナゴに関する見解。
東京海洋大学・石丸隆教授「既に出荷されているものは食べても全く問題ない」 。
スーパーニュースともども健康への害がないことを強調
しかし、それ以外の立場からの発言はなし。

(4)b 農・漁・一般住民と放射線量

NHK
ニュース7
魚介類や野菜の汚染については、その都度解説者が詳しく対策を説明。
しかし、印象として楽観的な報道

ニュースウオッチ9
放射能の住民への被害については連日報道。
農民、漁民、一般住民など多岐にわたって取材されていた。
26 日: 東電に抗議行動に向かう農民たち。
「 毎日怒っている。どうして生きていくんだ」 「東電からははっきりしない言葉ばかり」東電から満足のいく回答は得られなかった、とのナレーション。
27 日: 浪江町の若い漁業者「豊かな海返して欲しい。原発なければ、津波と地震だけだったら復興の明るい顔していられたのに」被災者の声を丹念に取り上げているところは評価できる。
ただ、被害地での美談や士気を鼓舞するドキュメントのわりに、人々の苦し みに焦点を当てた企画が少なかった
また、現場の声を政府や関係機関にぶつけて「これをどうするか」という報道機関としての追求の姿勢も弱かった。

日本テレビ
ウェークアップ!ぷらす
30 日: 東日本大震災の避難者数、避難先を紹介。
日本の原子力発電の歴史紹介。

news every
18 日: 福島県楢葉町の自衛隊最前線基地(J ヴィレッジ) を取材。
自衛隊員、東電の下請作業員たちが寝泊りする施設や、除染の様子を紹介。
22 日: 計画的避難区域に指定された地域の人たちの反応紹介。
住民からは次々と不満の声あがる。
26 日: 福島県二本松市で大規模酪農を営む畜産農家を核に、原発被災地の畜産業のいまを多角的に紹介。
校庭で遊べない子どもたちを郡山市を例にルポ。
教室での体育授業を強いられている実態を紹介。
27 日: 計画的避難区域に指定され、村から離れなければいけない飯舘村の人々の不満の声を中心に番組を構成。

真相報道バンキシャ
24 日: フリージャーナリスト細谷氏20 キロ圏内で放射線量を測定。
地表面で60 マイクロシーベルトに達するところも。
東大病院放射線科中川恵一准教授「7 か月間被ばくすると発ガンリスクが上昇する
量」と指摘。
原発のある自治体の首長(23 人) にアンケート。
現状維持9 首長、減らすべき6 首長。
スタジオでは代替エネルギーとしての風力発電の可能性についても言及。
原発40 基分の可能性もあるとの発言あり。

シューイチ
17 日: 菅首相の「避難地域には当面住めないだろう。10 年、20 年住めないままだとゴーストタウンと化すであろう」との発言に地元反発。
飯舘村菅野村長「 心無いことを言う人だ。少しでも早く戻れることを考えるのが政治家の仕事ではないか」

テレビ朝日
報道ステーション
野菜や魚の安全性、国の発表をスタジオで繰り返し、「 安心して購入しましょう」 と訴えるキャスターたち。
一方、住民の生活については、毎回「 避難所で聞く」 として取材が続けられていた。
その中には、国や東京電力に対し憤りを隠さない人達がいる一方で、原発によって成り立つ村の、複雑な住民感情も紹介していた。
また、手を突いてわびる東電の社長の前で、より深く頭を垂れる人も。
また、19 日、福島県からの転入者に、放射線量検査の証明書の提出を求めた茨城県つくば市の例が紹介された。
スタジオコメント「無知が怖いにつながり、排除するという方向に向かってしまう。正しい理解が必要」 。

TBS
テレビニュース23 クロス
5 日の北茨城沖コウナゴから基準値を超えるセシウムが検出されたことをきっかけに、出荷制限や出漁停止など農、漁業に対する影響についてはその都度報道していた。
一方、放射線量の多い福島県の13 小中学校に対し、文部科学省は屋外活動を制限するよう通達したが、その基準値、年間20 ミリシーベルトを巡って、29 日内閣官房参与の小佐古東大大学院教授がこの数値は高すぎるとして職を辞する問題が出来した。
この時ゲストとしてスタジオ出演した細野首相補佐官は、20 という基準は原子力安全委員会の見解に沿ったものだと釈明したが、追及は中途半端に終わった感じ。
22 日: 長崎大学名誉教授長滝重信氏「 年間被ばく量20 ミリシーベルトは、将来ガンになる確率を0.2 % 増加させる」 と発言。


フジテレビ
スーパーニュース
1 日:20 キロ圏内29 人、30 キロ圏内329 人の残留住民の暮らしぶりVTR リポート。
4 日:「 風評被害続く農産物」 「風評被害に負けるな。100 円野菜に大注目」
15 日: 飯舘村村民集会ルポ「対応遅すぎ」
22 日: 東電社長お詫び訪問で住民「ここに住んでみろ」「6 号機動かすんじゃないぞ」

ニュースJAPAN
7 日:「 千葉県の卸売市場、茨城沖の海産物受け取らず。農水省指導。市場混乱」 と報道。
14 日: 福島県南相馬市ルポ「原子力発電所持ってきた人恨みます」と地元民は憤る。

(5)原発の現場作業員の状況はどこまで伝えられたか

NHK
ニュース7
6 日: 難航する汚染水の回収。水野解説委員「作業員の話では手袋を3 枚重ねて仕事をするのではかどらない。建屋は放射線が強く、簡単には近づけない」
18 日: 水野解説委員「 原子炉建屋内での作業は不可欠。しかし高い放射線に阻まれて作業は難しい。工程表の達成は難しくなる」

ニュースウオッチ9
5 日: 作業現場の放射線管理員インタビュー( 匿名)「100 ミリシーベルト超えるところざらにある。水は測ってみないとわからないから怖い。ボルト一つ締めるのに、30 分、1 時間かかる」
27 日: 東電女子社員内部被ばく。
東電「 把握できていなかったことは申し訳ない」 、保安院「極めて遺憾」 、ナレーション「 医師によれば健康に異常はない」
ただ、作業員がどのような状態にあるかの直接取材は殆どなく、記者会見によるニュースが圧倒的に多い。

日本テレビ
news every
18 日: 福島県楢葉町にある自衛隊の最前線基地「J ヴィレッジ」取材。
自衛隊員、東電社員、下請作業員ら800 人が暮らす。
自衛隊ヘリが放射線量を測定、装甲車の除染作業を紹介。
しかし、生活ぶりは紹介されず。

真相報道バンキシャ
10 日: 福島第1 原発、現在作業員277 人。
作業員へのインタビュー「 放射能は気にしない。早く原発を直したい」 。
ただ、生活ぶりの詳細や、どんな場所で働いているかなどは明らかにされていない。

テレビ朝日
報道ステーション
6 日: 復旧作業に当たる東電協力会社職員、タービン建屋地下1 階の様子を語る。「普段は水のないところが池みたい。
流されてきた車がある。
作業は1 日4 時間くらい。被ばくするのは怖い」 。
19 日: 体育館で休む防護服姿の作業員( 写真)。
眠るときも防護服を着たまま、毛布の上に横になる。
食事は3 度になったが、レトルト食品や缶詰だけ。
スタジオ、朝日新聞編集委員五十嵐浩司氏「現場は肉体的、精神的に限界に来ている。長期化に備えて国がイニシアティヴをとって国家プロジェクトを組む必要がある」と指摘。

TBS
テレビニュース23 クロス
19 日から4 日間、作業員の劣悪で危険な作業環境を取り上げた。
20 日:2 号機の汚染現場の状況についての作業員の証言特集。
出撃基地「J ヴィレッジ」の様子も紹介。
防護服に身を固めた作業員たちが、口々に高い放射能の中で働く苦しさを訴えていた。
21 日: 放射線手帳も持たずに働いている作業員がいる実態を指摘。
会社の健康管理のあり方に警鐘を鳴らした。
東電は積算線量が100 ミリシーベルトを越す作業員が29 人いることを認めたが、その後
も被ばくの数値と被ばく者は増え続けている。
27 日: 東電女性社員、原発敷地内の建物で被ばく。
原子力安全・保安院「 極めて遺憾」 とコメント。

フジテレビ
スーパーニュース
3 日:「4 号機建屋地下で社員2 人の遺体発見」 の報。
しかし、東電の発表だけでその後のフォローなし。
28 日: 原子力委員会・青山繁晴専門委員が22 日に撮影した原発の様子を紹介。
原発の現状、作業員の復旧作業の様子、吉田所長へのインタビューなどで構成。

ニュースJAPAN
19 日: 現場作業員の医療支援に当たった医師・谷川武愛媛大学教授出演。
放射線被ばくの危険と劣悪な労働環境を報告。
医療体制の整備、長期応援体制の必要性などを提言。
21 日: 虎の門病院谷口医師、「1999 年JCO 東海村事故を教訓に、作業
員は予め造血幹細胞を採取しておくこと」を提言。
27 日: 原子力委員会・青山専門委員の報告。
「 案内の職員が被ばくしないよう、自分1 人だけが車を降りて撮影した」 という映像を公開。


(6)原発の是非、これからのエネルギー政策について


NHK
ニュース7
反原発の立場の学者などの出演がないので、視聴者の前での論争が起きず、原発の安全性や経済性などの疑問は解けずに終わってしまう場合が多かった。
客観的な情報としては、18 日: 世論調査の結果発表。原発容認27 % 、否定43 % など。
がある程度。

ニュースウオッチ9
「 ニュース7」 同様、18 日のNHK 世論調査以外、この項目については見るべきものなし。
ただ、11 日には、IAEA 天野事務局長へのインタビューが紹介され、大越キャスターの「これからの原子力政策は」との質問に対し、「化石燃料が増えたわけではない。エネルギー問題は広い観点、長期的な視野で考えていく必要がある」との天野氏の発言を紹介。
「日本は是非がんばって欲しい」というコメントを伝えた。
この他、全国の他の原発の状況の検証、使用済核燃料の処理問題などテーマとすべき課題は数多あるはずだが、どれ一つ取り上げられなかった。

日本テレビ
ウェークアップ!ぷらす
30 日:「 エネルギーをどうすべきか原発は続けますかエネルギーの未来像」 というテーマで9 人のゲストによる討論会実施。
討論は電力会社と国、政党との癒着構造にまで言及され、原発の安全性の確認が求められた。新エネルギーの利用への発言も目立った。

news every
26 日: 柏谷解説主幹「原発との共存が崩れると、生活基盤さえ失われる」と発言。

真相報道バンキシャ
24 日: 原発所在地の23 首長にアンケート実施。現状維持9 人、減らす6 人。
解説、電力会社からの交付金は魅力。
福井県立大学井上武史講師「 原発は財政的な特効薬」 。
この日、番組では代替エネルギーについても開発可能電力量、コストなどについて解説。

テレビ朝日
報道ステーション
総体的に反原発の空気を感じるが、スタジオに専門家が同席していないためか、いま一歩踏み込んだコメントがなかった。
18 日: 五十嵐浩司朝日新聞編集委員「温暖化防止、低コストでエネルギーの切り札と考え、推進してきたことをすべて見直す必要あり」と発言。
21 日: 三浦俊章朝日新聞論説委員「 今の電力業界のあり方、原子力政策のあり方が十分討議されないままに東電を護る枠組みだけが出来ていく」 と述べる。
26 日: 五十嵐編集委員「日本でエネルギー政策をどうするかという全国民的な議論を深める絶好の機会」と主張。
27 日: アメリカ・ノーチラス研究所の震災後の電力問題についての報告書を紹介「原子力や火力に頼るよりも、省エネや太陽光など再生可能エネルギーを拡大する方がコストが安く、環境にもよく、電力不足を早く解消できる」。


T B S
テレ
ビニュース23 クロス
全体として今回の災害を惹き起こすに至った原子力政策の歴史的背景や、金に物を言わせて原発を推進してきた政治のあり方などへの追及は乏しかった。
ただ、7 日、志賀原発訴訟で2006 年差し止め判決を出した金沢地裁の井戸元裁判長にインタビュー。
今回のように多重防護が有効に機能しない可能性について判決が正確に予言していたことを紹介し、原発の強引な推進に警鐘を鳴らしたことは評価される。

フジテレビ
スーパーニュース
23 日: 放射性廃棄物は10 万年後まで立ち入り禁止で管理が必要とする映画「10 万年後の安全」 を紹介、「 最終的に人間の手に負えないことを始めてしまうのは問題」との声で締めくくった。

25 日:FNN 世論調査結果(22 日実施)
しかし、原発の是非、エネルギー政策などの質問項目なし。

28 日:青山原子力委・専門委員「ニュースJAPAN 」と同様のことを披瀝。

4 日:IAEA 天野事務局長談話「世界の原発に多大な影響を与えた」とし「原発の信頼回復のため更なる安全対策を」を提言締めくくりのコメントでは、天野氏が「原発の必要性を強調」したことを印象付けた。

20 日:「英、汚染の海はいま」のタイトルでイギリス・セラフィールドの原子力関連施設の海洋汚染の歴史をルポ福島での汚染水放出への抗議行動も紹介、「セラフィールドは福島第1 の未来の姿か」とのコメントで締めくくった。

27 日:青山原子力委員会専門委員「14 基新規増設無理、原発は30~ 50 年でいずれ滅びる技術。すぐとは言わないが廃止へ向けてソフトランディングで」と明快に主張。

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