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110929 「デモと広場の自由」に関する共同声明会見 [柄谷行人]

☆9月29日午後3時より日本外国特派員協会で行われた共同声明記者会見のビデオです。
出席者は批評家・柄谷行人さん、作家・雨宮処凛さん、社会学者・小熊英二さん、フランス思想研究者・鵜飼哲さん。9.11デモで不当逮捕されたフランス人フランクさんも出席されてます。
是非このビデオ見て下さい。時間のない方は会見要旨だけでも読んでみてください。

共同声明文についてはこちら。


柄谷氏の言葉、「80年代以降デモが少なくなったこととこんな地震の多い国に原発が54機も建てられたこととは深く関係があり、原発に反対する意思表示ができなくなってきたということ、日本はそのような社会になってきた」や、小熊氏の言葉、「脱原発したいという要望は国民の世論の7割から8割が支持。それを唱えるようなデモが自由に出来ない社会はとても健全な社会とはいえない。」はとても考えさせられる指摘だと思います。
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呼びかけ人

9月29日現在の呼びかけ人リスト(敬称略、順不同)

柄谷行人、雨宮処凛、小熊英二、鵜飼哲、岩崎稔、平井玄、酒井隆史、佐々木中、毛利嘉孝、コリン コバヤシ、高祖岩三郎、浜邦彦、上岡誠二、本山謙二、木下ちがや、丸川哲史、香山リカ、山森亮、西山雄二、渋谷望、池田雄一、斎藤貴男、小田マサノリ、鶴見済、山森亮、小倉利丸、東琢磨、岡山茂、中島京子、飯田哲也




☆2011年9月29日記者会見@日本外国特派員協会


9月29日に日本外国特派員協会で行われた記者会見のアーカイブを公開しました。
※随時通訳の「日→英」部分を省いた短縮版です。
※全編は岩上チャンネルでご覧下さい。



「デモと広場の自由」のための共同宣言記者会見 from Nippon Pirate Broadcasting on Vimeo.




110929 「デモと広場の自由」にかんする共同声明会見(こちらは岩上チャンネル版)



Video streaming by Ustream





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▽柄谷行人氏会見要旨

ご存知のように、9.11の反原発デモで12名の参加者が逮捕されました。
その現場に私はいなかったのですが、その日の夕刻新宿アルタ前の集会でスピーチをしました。
その縁でこのような共同声明を出すことを頼まれ、声明文を起草するように頼まれました。
私が起草しましたが、最初から皆さんの同意が得られるように客観的に書きました。
また皆さんに読んで戴いて文面を検討しました。
そうして出来上がったのが配布した声明文です。
事実経過についても他の方々が話してくださると思います。
声明文では憲法を引用したり、法律的な言葉を並べています。
しかしこれまで私がしたことのない言い方です。
私自身が言いたいのはそれと少し違います。
私が言いたいのは新宿アルタ前のスピーチで話したことです。
つまり、日本にはデモが必要だ。デモが日本の社会を変えるということです。
それはユーチューブに載ってますから興味のある方は見て下さい。
今日私はここで改めて日本におけるデモの重要性について話したいと思います。
私は原発震災が起こってからデモに参加したのですが、それ以前からデモが重要だと考えていました。
脱原発は言うませもなく重要ですが、それとは別にデモが重要だと考えていました。
そして日本にはなぜデモがないのかと考えてきました。
もともとデモがなかったわけではないのです。
私が学生の頃、1960年ごろですが、デモは非常にありふれたものでした。
しかし80年代以降デモがなくなってきました。
デモがなくなったこと、デモが少なくなったこととこんな地震の多い国に原発が54機も建てられたこととは深く関係があります。
つまりそれは原発に反対する意思表示ができなくなってきたということです。
日本はそのような社会になってきたのです。
1980年代前半には反原発運動が盛んで,デモもありました。
それまで日本人は広島長崎の経験から核に関しては非常に敏感であったからです。
しかし次第に、いつの間にかそのようなプロテストはなくなってしまった。
その時期から労働組合などが弱体化され、社会党は消滅してしまった。
そして90年代には新自由主義、つまり資本の専制体制が確立されたわけです。
そのことと原発が大量に造られるようになったこととは関係しています。
地震があった後、外国のメディアは日本人の冷静な振る舞いを賞賛しました。
しかし同時にそれは不可解でもあったはずです。
日本人はなぜ異様におとなしいのか。
なぜ抗議しないのか、なぜ怒こらないのか。
しかし昔からこのようであったわけではありません。
このような日本人の態度はおそらくこの20年ほどで形成されたものです。
しかし3.11原発震災後に、デモが始まりました。
私は単に原発に反対することだけでなく個々人がその意思をデモを通して表現することが重要だと思います。
その意味でようやく日本人が意思表示を始めたのだと思います。
私は、日本でやっとデモが始まったということに希望を見出しています。
そのきっかけを作ったのは、素人の乱のような若い人たちです。
彼らは新しいデモの形式を作り出した。だから私は彼らに感謝しています。
したがって、それを抑圧するものに対して私は抗議したい。
それゆえに私はこのような声明を出すことに賛成し、協力を惜しまないと伝えたのです。
最後に記者の皆さんにお願いがあります。
現在日本の各地に反原発のデモがあるという事実をもっと報道していただきたいということです。
デモの存在を無視することはデモを抑圧することになります。
以上です。


▽雨宮処凛氏会見要旨

素人の乱のデモに5月くらいからメンバーとして参加してるんですけど、原発やめろデモ今まで5回やってきました。
1回目が高円寺で4月10日1万5000人が集まりました。
5.7が2万人、渋谷です。
6.11新宿、2万人。
8.6が新橋、東電前、8千人です。
9.11が1万人で延べ7万人ぐらいが原発やめろデモに参加してます。
今まで原発に全くかかわりのなかった高円寺のリサイクルショップや周辺の貧乏で暇な人たちと言うかよく分からない人たちによって作られたデモに参加しています。
このデモの特徴はホントに初めてデモに参加したという人が圧倒的多数で、20代30代の人が圧倒的に多い。
3.11が起こるまで原発問題は考えたことがなかったという人がとても多く参加していて、その後の報道とか国とかが言っていることを聞いていて、全く信用が出来ないから、自分たちがこれほど原発の当事者なんだとあの日初めて気づいて、何とか自分たちの将来を変えるために意思表示をしなければというかなり切実な覚悟をした若い人たちが参加しているそういうデモです。
そういう盛り上がりが怖いのか、9.11に12人、5.7に2人、8.6に3人の逮捕者が出ています。
今回の12人の逮捕でも、一部報道ではデモ隊が警察に暴力を振るったと書かれているが、私も現場にいたが、全くそういうことはなく、警察がサウンドカーとデモ隊の間に強引に割り込んでくるとか、トイレに行くのも水分補給をするにも全くデモ隊からの出入りを許さないとかかなり過剰な警備の元にデモがあって、警察が意図的に混乱を造ったというシーンが何度もありました。
原発事故は現在進行形で続いていてそんな中で、原発再稼動とかそういう話が出てくることに対して、デモに来る人たちはこんなものと共存できないということを身にしみて感じて、経済よりも命が大切だと思っている人たちなんですよね。
それが声を上げて何とかして自分たちの未来を変えるためにと、行動して街頭に出てきたら、公務執行妨害、東京都公安条例で逮捕される現実がある一方で、東電とか原発推進してきた人が一人も逮捕されていない状況はとてもおかしいと思います。
原発やめろデモで9・11逮捕された12人は、9・22までに全員出てきたんですが、この逮捕はおかしいとして原発やめろデモ会議として日弁連に今回の弾圧について人権救済の申し立てをすることが決まっています。
以上です。


▽9・11新宿デモで逮捕・釈放されたフランス人フランクさんの会見。



▽質疑応答
◎日弁連とのかかわりについて、具体的に何をするつもりか、後これからの予定は。

雨宮:日弁連には人権救済の申し立てするそれ以上のことはまだ決まっていない。
これからのデモは逮捕された12人が出てきたばかりだしまだ決まっていない。
12人は起訴されていない。

◎警察のカメラについて、警察が撮った映像を法律的にファイルして登録したりする権利はあるのか。またそのことがデモ参加者に参加することを萎縮させることになるのか。

雨宮:警察がカメラで撮ることはいやがる人も多いが、あんまり分かってなくて、初参加の人が多いので警察のカメラかどうかも分かっていない、警察コスプレの人も結構いるし分からなくなっている。

鵜飼:70年頃からさまざまなデモに参加してまして基本的に法律は変わってないと思います。肖像権の侵害で、常に警察が写真を撮ることに対しては抗議してきました。それが現在でも原則だと思います。

◎何故メデイアは7万人ものデモがあってもあまりデモを報じないのかという理由と、外国人記者会見という形をとったこととのつながりについて教えて欲しい。

小熊:私の考えを述べさせていただきますが、日本の新聞は記者クラブで主な情報源を得ていて、記者が独自に取材するというのがあまり多くない。
さらにもしデモに取材に来てもあまり記事にされることが少ない。
その理由はいろいろあると思いますが、新聞社の幹部たちが、政治というのは与党、民主党なり自民党なりの政治家同士のお付き合いや人間関係が政治であって、デモというのは政治として採り上げるには値しないと考えているんではないかと思います。
日本では1980年代ぐらいは自民党の中の派閥関係で政治が動くことはあっても、デモで政治が動くということあまりなかったので、それこそが政治である、つまり自民党の派閥関係こそが政治である、だからそれを取材することが新聞の役割であるという感覚がかなり根強く染み付いているのではないでしょうか。
また記者クラブなどでは警察の発表という形で社会的事件が伝えられることが多いので、実際に取材にこないと警察の発表をそのまま流してしまうと言うことが多いと日本の新聞にはよく指摘されます。
私は良く覚えておりますけれど、昨年ある日本の全国紙が昔は若者が良くデモをやったと、最近は若者が政治に関心がない、実に嘆かわしいと社説に書いたが、その新聞もあまり今回、7万人がデモに出ても報道いたしません。
この機会に申し上げさせていただきます。私、8.6に、5歳の娘をつれてデモに参加しました。

◎共同声明をつかったこれからの運動予定があるか。柄谷さんと小熊さんは過去呼びかけ人とか起草者とかをしたことがあったら教えて欲しい。

鵜飼:今回大量の逮捕者が出たということで緊急に集まって、柄谷さんに文案をお願いしてここまできたが、この後このコミュニュケを中心にしてどういうことをやってゆくかということは今日この後相談したいと思ってます。

柄谷:確かに僕はこういう声明なんかに参加するのはまれです。覚えているのは20年前、湾岸戦争のとき、それに抗議する文学者の集会を開きまして、その後記者会見を外国人記者クラブのようなところでやった覚えがあります。そもそもそういうのやるのは嫌いなんですけど、やむをえないと思ってやりました。

小熊:私もこういうことはそれ程好きではないが、今回参加した理由は二つあります。
一つは、4.10の素人の乱の主催のデモがとても楽しかったので応援しようと思ったからです。もう一つは柄谷さんも強調されてることですが、これを機会に日本にデモが出来るくらいに民主主義が根付いた国になって欲しいと思うからです。
原発を減らしてゆきたい、脱原発したいという要望は国民の世論のすでに7割から8割が支持していることです。それを唱えるようなデモが自由に出来ない社会はとても健全な社会とはいえません。勿論少数者の意見が無視されていいとか、表現の自由がないとか言うことではありませんけど、せめてこれくらいの世論になっていることが自由に表現できない社会はとても困ったものだと思います。

◎9.11デモと9.19デモとは何が違うのか。
柄谷さんは日本に何故デモがないのかという理由として与えられた民主主義だからと言っていたが、60年代70年代にデモがあったという話とのつながりは?


雨宮:行儀が違う、のりとか、テンションとか盛り上がりがぜんぜん違う。沿道からの飛び入りが多くて個人でツイッターなんかの呼びかけで来たはじめての人が多いので、そういう今まで動いたことのない層がどっと動いてることを恐れているのかなと思いますね。

柄谷:9.11と9・19の違いについて述べておきたいと思います。
私は両方のデモにいきましたので、その違いがよく分かるのですが、確かに9.19の場合は警察による逮捕とか弾圧はありませんけど、9.19のデモにも別の形の抑圧があると思います。
それは、兎に角待たされるということです。
集会があった会場に2時間以上留まったわけです。
デモで3時間。
普通に歩けば30分くらいのところです。
こういうデモには二度と来たくないと誰でも思うと思います。

戦後と現在との間に日本でもっともデモが栄えた時期があって60年代、70年代です。
そのことはヨーロッパ、アメリカの人なら分かると思います。
同じことが起こったから。同時代に。
そのときのデモが非常に過激なものになったということもお分かりいただけると思います。
しかし日本ではそのようなデモが終わったあとに、デモ全体がなくなってしまった訳です。
しかしヨーロッパでもアメリカでもそういう過激なデモが終わった後に極当たり前の市民のデモは続いています。
したがって第一に言いたかったことは日本にはデモがなかったということはないということですね。
しかし、日本にデモが市民の基本的な権利であるという考えが定着しているとは思わない。
このようにいうと先ほど指摘された矛盾はなくなると思う。


☆カンパ集め中止と呼びかけ人募集について
2011/09/30

呼びかけ人の皆さん
ブログを見てくれている皆さん

カンパ金集めを中止します。
当初、12人の逮捕者たちの解放に要する弁護費用などを集めるために、
緊急のカンパを呼びかけました。その後、全員が解放された結果、
当座の費用は救援会の方で賄えることになりました。
  
まったく根拠のない検挙であることが証明されたわけですが、
すでに払い込まれた方々には申し訳ありません。
金額明細を早期に報告し、生かし方を考え、提案したいと思います。

私たち「最初の呼びかけ人」としては、カンパなしで一風変わった
この「全員呼びかけ人運動」を推進したいと考えます。
それが、私たちの生存の条件としての「デモと広場の自由」を
実現していく一助となることでしょう。


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呼びかけ人とメッセージを募集します。
お名前とメッセージを以下メールアドレスにお送りください。
demotohiroba(at)yahoo.co.uk
呼びかけ人ページにお名前とメッセージを掲載させていただきます。







日弁連に人権救済申し立てをおこないました。(原発やめろデモ!!!会議) 2011/10/01

「原発やめろデモ!!!会議」は、この間のデモ・集会に対する警察の過剰な警備、不当な弾圧に抗議するため、日本弁護士連合会(日弁連)に人権救済申し立てをおこないました。

人権救済申し立てとは、さまざまな権利侵害について、日弁連が調査、審査を行い、権利侵害を行った機関や個人に対して警告や勧告を行うという制度です。

警察によるデモ・集会への抑圧は、原発政策をめぐる世論形成過程への不当な介入に他なりません。この重大な局面における警察による脅迫的な抑圧は、憲法上保障された正当な意見表明の機会を奪い、その萎縮をまねき、日本政治の民主主義的な意思形成に深刻な打撃を与えることになります。

また、今回の申し立ては、「原発やめろデモ!!!」のみの個別案件にとどまらず、原発事故に苦しみ、今後の原発政策に関心をよせ立ち上がっているすべての人々にかかわる高度な公共性を有しています。

人権擁護を掲げる日弁連が、この事態の重大性に鑑み、適正かつ迅速な対処をとることを、つよく要望します。


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「デモと広場の自由」のための共同声明・柄谷行人さんら [柄谷行人]

☆必読!!
昨日の記事に関連しますが、「9 ・11原発やめろデモ!!!!!」などのデモについて、
批評家・柄谷行人さん、社会学者・小熊英二さん、フランス文学・思想研究者・鵜飼哲さん、作家・雨宮処凛さんらが共同声明を出しました。
9月29日午後3時より共同声明記者会見を日本外国特派員協会で行なうそうです。




以下の共同声明文を是非読んでください。
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「デモと広場の自由」のための共同声明 Joint Statement for the Freedom of Demonstration and Assemblyより転載


共同声明
「デモと広場の自由」のための共同声明

3・11原発事故において、東京電力、経産省、政府は、被害の実情を隠し過小に扱い、近い将来において多数の死者をもたらす恐れのある事態を招きました。
これが犯罪的な行為であることは明らかです
さらに、これは日本の憲法に反するものです
すべて国民(people)は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する》(25条)。
しかし、東京電力、経産省、政府はこの事態に対して責任をとるべきなのに、すでに片づいたかのようにふるまっています。

それに抗議し原発の全面的廃炉を要求する声が、国民の中からわき起こっています。
そして、その意思がデモとして表現されるのは当然です。
デモは「集会と表現の自由」を掲げた憲法21条において保証された民主主義の基本的権利です。
そして、全国各地にデモが澎湃(ほうはい)と起こってきたことは、日本の社会の混乱ではなく、成熟度を示すものです。
海外のメディアもその点に注目しています。

しかし、実際には、デモは警察によってたえず妨害されています。
9月11日に東京・新宿で行われた「9 ・11原発やめろデモ!!!!!」では、12人の参加者が逮捕されました。
You Tubeの動画を見れば明らかなように、これは何の根拠もない強引な逮捕です。
これまで若者の間に反原発デモを盛り上げてきたグループを狙い打ちすることで、反原発デモ全般を抑え込もうとする意図が透けて見えます。

私たちはこのような不法に抗議し、民衆の意思表示の手段であるデモの権利を擁護します
日本のマスメディアが反原発デモや不当逮捕をきちんと報道しないのは、反原発の意思が存在する事実を消去するのに手を貸すことになります
私たちはマスメディアの報道姿勢に反省を求めます。

2011年9月29日
起草者:柄谷行人、鵜飼哲、小熊英二

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声明概要
「デモと広場の自由」のための共同声明 概要

先日9月11日の新宿脱原発デモでの12名のあまりに不当な逮捕について、
東口広場で話した柄谷行人さんを筆頭に大学教員などの人たちが動き始めました。

違法な逮捕への共同抗議声明を発表するとともに、
今後も必要とされる救援基金(詳細は未定)の原資にできるようなカンパを呼びかけます。

→ 「デモと広場の自由」のための共同声明
→ Joint Statement for the Freedom of Demonstration and Assembly

連絡先
救援連絡センター気付
東京都港区新橋2-8-16 石田ビル5階
TEL: 03-3591-1301 / FAX: 03-3591-3583
E-Mail: kyuen(at)livedoor.com
URL: http://qc.sanpal.co.jp/

カンパ先
ゆうちょ振替:口座番号:00140‐2-750198 口座名称:ミンナノキュー
他銀行からの振込の場合:019(ゼロイチキュウ)店 当座 0750198


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2011 9 11 新宿アルタ前 柄谷行人氏 演説 [柄谷行人]

▽必見!必聴!です。
激同意します。
哲学者・思想家・批評家である柄谷行人氏の9・11新宿アルタ前での演説です。
「福島原発事故はまだ何も片付いていない。われわれが忘れようとしても、また実際に忘れても、原発の方が執拗に残る。それはいつまでも続きます。」
まさにその通りだと思います。
だから、反原発運動は長く続くということ、そして、それは原発に留まらず日本の社会を根本的に変える力とならなければならないということだと思います。
粘り強く行きましょう!!

柄谷行人氏の「反原発デモが日本を変える」はこちら↓ 是非読んで欲しいです。。
反原発デモが日本を変える/柄谷行人公式ウェブサイト
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☆2011 9 11 新宿アルタ前 柄谷行人氏 演説
(↓こちらの方が音声が明瞭)







☆柄谷行人氏 演説書き起こし(一部聞き取れないところ等省略があります。)



この4月から反原発デモに参加しています。

このアルタ前にも6・11デモで参加しました。

私がデモに行くようになってからいろんな質問を受けます。

しかもたいがい否定的な質問です。

その一つはデモで何が変わるのか。

デモで社会が変えられるのかというものです。

私はこう答えます。

勿論デモで社会を変えることが出来る。

確実に出来ます。

何故ならばデモをすることで、デモをする社会を作れるからです。

考えて欲しい。

今年の三月以前に、日本には沖縄を除いてデモはほとんどなかった。

それが今、日本全国、今日でも多分100箇所以上でデモが行われています。

そういう意味で日本の社会は少しは変わった。

それは明らかです。

例えば、福島原発の事故のようなことがドイツやイタリアで起こればどうなるか。

あるいは韓国で起こればどうなるか。

巨大なデモが国中に起こるでしょう。

しかしそれに比べれば、日本のデモは異様なほどに小さい。

しかし、それでもデモが起こったことはすごい。

救いであると私は思います。

デモは主権者である国民にとっての権利です。

デモが出来ないのなら国民は主権者ではない。

例えば、韓国では20年前までデモが出来なかった。

軍事政権があったからです。

しかし、それを倒して国民主権を実現をした。

デモをデモによって倒したのです。

そのような人たちがデモを手放すはずがありません。

では日本にはなぜデモが少ないのか。

なぜそれは変なことだと思われているのか。

それは国民主権を自分の力で闘争によって獲得したからではないからです。

日本人は戦後国民主権を得ました。

しかしそれは敗戦によるものであり、事実上占領軍によるものです。

つまり自分で得たものではなく、与えられた物です。

ではこれは自分自身のものにするにはどうしたらいいか、それはデモをすることです。

私が受けるもう一つの質問は、デモ以外にも手段があるのではないか、というものです。

確かにデモ以外にも手段はあります。

そもそも選挙がある。

その他さまざまな手段があります。

しかし、デモが根本的です。

デモがある限り、その他の方法も有効になりますが、デモがなければそれらは機能しません。

今までと同じことになります。

さらに私が受ける質問は、このままデモは下火になってゆくのではないかというものです。

戦後、日本には幾度も国民全国的な規模のデモがありました。

しかしそれは長続きしなかった。

今回のデモもそうなるのではないかという訳です。

確かにその恐れはあります。

マスメディアではすでに福島の事故は片付いた、直ちに経済復興に取り掛かる、取り組むべきだと言うような意見が強まっています。

無論そんなことはない。

福島では何も片付いていないのです。

しかし、当局やメディアは片付いたかのように言っている。

最初からそうです。

彼らは最初から、事実を隠し、大したことがなかったかのように装ってきたのです。

ある意味でそれは成功しています。

多くの人達がそれを信じている。

信じたいからです。

そうしたら今後に反原発のデモは下火になっていくことは避けられない、という風に見えます。

しかし違います。

福島原発事故は片付いていない。

今後もすぐには片付かない。

むしろ今後に被曝者の病状がはっきりと出てきます。

また福島の住民は永遠に郷里を離れることになります。

つまり、われわれが忘れようとしても、また実際に忘れても、原発の方が執拗に残る。

それはいつまでも続きます。

原発が恐ろしいのはこのことです。

それでも、人々はおとなしく政府や企業の言うことを聞いているでしょうか。

そうであれば、日本人は物理的に終わりです。

だから私はこう信じています。

第一に反原発運動は長く続くということです。

第二に、それは原発に留まらず日本の社会を根本的に変える力となるだろうということです。

皆さん、粘り強く戦いましょう。

以上です。
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