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御用学者・奈良林 直氏の迷言 [原発]

★2011年7月9日放送、NHKスペシャル・シリーズ原発危機第三回「徹底討論どうする原発」http://www.nhk.or.jp/genpatsu/


討論に参加していただく方々

原発事故担当大臣細野豪志さん
原子力安全委員会専門委員・北海道大学教授奈良林 直さん
21世紀政策研究所研究主幹澤 昭裕さん
元原子力プラント設計技術者・芝浦工大非常勤講師後藤政志 さん
環境エネルギー政策研究所所長飯田哲也さん
ノンフィクション作家吉永みち子 さん
(司会/アナウンサー 三宅  民夫
アナウンサー     守本  奈実
解説委員       水野倫之)

▽この番組に出演した北海道大学教授奈良林 直氏。
以下はこの番組中での氏の発言の要旨の一部。




「地震が来ても原発が避難所になる」


「1億3000万人が乗っているジェット機のエンジンの30%は原発。原発を動かさないと、エンジンを失った一億三千万人が乗っているジェット機は失速して墜落してしまう、いいんですか?」


「電力会社はデータをすべて出している。データ隠しは昔の話。」



「使用済み核燃料は、増殖炉を使うことによって、これから2,500年分の日本のエネルギーなのです。」



「原発が止まったためにあのときフランスでは5万人の死者が出た。」

この発言↑に対して、藤原新也氏が以下↓のようなコメントをされています。
http://www.fujiwarashinya.com/talk/index.php?mode=cal_view&no=20110709より転載。
******************************************

手作りのカレーが不意に不味くなったウソのひとこと。

カレーの夕飯を食べつつ今NHKで放映されている「原発問題」に関する討論を聞いていて、原子力安全委員の奈良林直という人の発言に唖然とする。



フランスで数年前熱波が襲い、川の水が温かくなりすぎたために原子炉の稼動を一時的に停止せざるを得なかったということを対論者が述べると、奈良林は原発が止まったためにあのときフランスでは5万人の死者が出た、と電力がいかに大事かということを述べたのである。

対論者の言葉はそこで止まったわけだが、この奈良林という人はフランスのことに言及しながらフランスのごく当たり前の市民生活というものを知らないか、日本人の大半の人がフランスの市民生活を知らないということを前提にウソをついているとしか思えない。
フランスにおいてクーラーを備えている一般家庭というのはほとんどないと言っていい。

そういう風土なのだ。

あの時の死者というのは熱波という未曾有の自然現象にどのように対応してよいか分からなかったゆえの犠牲者なのである。



こういったウソが堂々とまかり通る討論番組のレベルや推して知るべし。

以上転載
******************************************
 これは、ほとんど、「日本人の大半の人がフランスの市民生活を知らないということを前提にウソをついている」んですね。日本人にはわからないと高をくくって馬鹿にしていますね。この奈良林氏番組で「これから世界一安全な原発を作る」ともいってましたが、これからもそのためには住民をも犠牲にしながら試行錯誤して造っていくっていうことなんでしょうか。この人にとっては、住民はモルモットなんですね。

▼奈良林直氏のその他の発言から。


http://www.jaero.or.jp/data/01jigyou/sympo/2010hakodate/data/pdf/m_narabayashi.pdfより
(プルサーマルで)子供や孫に安心をバトンタッチ
石油天然ガスは、まもなく終わりです。次の世代のために安全な原子力を。

研究結果により、微量の放射線は体にいい影響を及ぼすことがわかっています。放射能を「怖い」と思う気持ちがあるかもしれませんが、正しい知識を持つことが大切です。



*週刊新潮 4月28日号 鎮まらぬ「福島第一原発」専門学者4人に訊く
から引用。

/////////////////////////////以下引用/////////////////////////////


最速なら1カ月で「冷温停止」に至る道筋がつく奈良林直 北海道大学大学院教授(原子炉工学)

福島原発の各原子炉と使用済み燃料貯蔵プールは、全体的に安定状態にあると言え、私は早期に収束できるものと楽観視しています。 ただし、東電が17日に発表した、安定に向けたロードマップでは6カ月から9カ月かかるという。緊急時の対応ではなく、これでは遅すぎます。私が所属する原子力学会の復興チームが原子力安全・保安院に提案している収束案では、早くて1カ月で汚染水の漏洩を止め、放射性物質の拡散を抑制できます。これを説明する前に、1号機~4号機の現状について確認しておきましょう。

 まず、1号機ですが、海水注入まで時間がかかったことで、炉心損傷が推定70%と大きく壊れました。
 汚染水漏洩を防ぐために注水が毎時10トンから6トンに減らされたこともあって、1号機では損傷した燃料棒の上部がおそらく冠水できておらず、冷却が足りずに、温度が高い状態にあります。16日現在で、原子炉上部が190度、原子炉底部が118度です。
 窒素が格納容器に注入されていますが、これは水素の体積比が7%を超えることで起こる水素爆発を防ぐためです。この窒素注入ですが、当初は圧力が上がったものの、途中で下がり、今も上がらないとの報道もありましたので、格納容器は何がしかの損傷を受け、気体が漏れる状況になっていると考えられます。しかし逆に水素も格納容器から出ている状態でしょうから、水素爆発の可能性はなく、本当はもう窒素を入れる必要もないのです。
 ただ水蒸気爆発については、確かに炉心への注水が途絶えると温度が上がり、水温も上がって一気に水蒸気になるため、可能性は残ります。しかし、こちらも冷却状態が維持できさえすれば、問題なく防げます。

 2号機は、水素爆発で圧力抑制室が壊れ、高濃度汚染水の問題を抱えています。

 3号機については、ウランとプルトニウムの混合酸化物燃料であるMOX燃料を使用しており、危険視されていますが、それも燃料集合体約550体のうちの32体にすぎません。炉心で運転するとプルトニウムは約1%できますが、これは他の号機も同じですので、3号機だけがプルサーマルだからといって、プルトニウムが核爆発するなんていうバカなことはありません。

 4号機については、先日、汚染水濃度を採取して検査されましたが、海に捨てた低濃度の汚染水よりは高く、タービン建屋内の高濃度汚染水よりは低い値でしたので、燃料棒が損傷はしていても、溶融はしていない状況だと考えられます。

■鍵はゼオライト
 1~3号機までいずれも「再臨界」はあり得ません。圧力容器には核分裂を止める制御棒が入れられており、核分裂に必要な中性子を吸収するホウ酸入りの真水も念のため注入されています。「塩素38(クロル38)」が生成されたという発表を、再臨界の根拠にされる人もいるようですが、東電は同じデータでセシウム134のピークを読み違え、ヨウ素134を測定したとも保安院に報告をあげています。保安院が何らチェックせずこのデータをプレスに公開したものだから、とんでもないことだとニュースで騒ぎになりました。が、結局、東電の初歩的ミスで、再度、訂正のプレス発表をしています。政府が海外に訂正情報を出さないことが誤解のもとになっているのです。ことほど左様に当日のデータは心許ないもので、あてにならない。そもそも、もし塩素38が検出されたならナトリウム24(半減期15時間)も検出されるはずですが、この記載はなく、塩素38についても測定ミスははっきりしていると言えます。

 今後、必要な作業は、まず汚染水処理対策と冷却のため、屋外に仮設の「循環冷却システム」を設置し、また放射性物質を吸収するための「フィルターベント」を作ることです。前者は汚染水を回収する受水タンクを用意し、それを冷却器で冷却するもの。冷却した汚染水を給水タンクに送り、それをゼオライトという放射性物質を吸収する石が入ったタンクで浄化する。そこから給水タンクに戻し、原子炉に再び冷却用の水として送ります。こうすれば新たに注水する必要がなくなり、汚染水が溢れ出るような状況も避けられます。これには、まず屋外にスペースを設ける為の瓦礫撤去で1週間、設置に2~3週間と、早くて3週間から1カ月で用意ができます。

 さらに、ゼオライトを使ったフィルターベントのタンクも用意する。これで、水蒸気など気体で出てしまっている放射性物質を99%濾しとることができます。つまり100分の1にできるのです。
 循環冷却システムとフィルターベントを同時並行で進めれば、最速なら1カ月で放射性物質の拡散を安定的に防ぐことができ、「冷温停止」に向けた道筋がつけられるのです。
/////////////////////////////引用終了/////////////////////////////

この方、最速なら1カ月で「冷温停止」に至る道筋がつくと、超楽観的なことを言ってましたが、もう一ヶ月以上経ちましたが依然全く見通しが立っていませんね。 「東電の初歩的ミスで、再度、訂正のプレス発表。」「当日のデータは心許ないもので、あてにならない」と東電のデータが当てにならないと言っていながら、どうしてこうも楽観的な見通しが言えるんですかね。


▽過去にはこんな発言も。


「プルトニウムは食べても安全」「毒性は塩と大差ない」
こちらを参照http://seto.blog.so-net.ne.jp/2011-05-28-2#favorite


塩は人間にとって必要なもの。いくら必要なものでも摂りすぎれば毒にもなり死にも至る。 砂糖だって水だって何だって同じこと。それを猛毒のプルトニウムと比較して、巧妙にいかにもプルトニウムの毒性が大したことがないように思わせる手口が悪質。これも日本国民の知的レベルはこの程度で騙せると高をくくってますね。

◆以下は平成22年10月27日(水)13:30~16:00 の講演での発言です。
【第一部】 世界情勢からみた日本のエネルギー問題

【第二部】 地球温暖化対策と原子力
・ コーディネーター
千葉商科大学 政策情報学部長、教授 宮崎 緑 氏 (みやざき みどり)
・ パネリスト
評論家 小沢 遼子 氏 (おざわ りょうこ)
読売新聞 特別編集委員 橋本 五郎 氏 (はしもと ごろう)
北海道大学大学院 工学研究院教授 奈良林 直 氏 (ならばやし ただし)


奈良林 ここでエネルギー先進国・スイスの例を紹介します。スイスは永世中立国で、どこの国にも頼らない姿勢を貫いています。火力で石炭・石油を輸入すると必然的に他国に依存することになりますから、自前のエネルギーを持たなくてはなりません。スイスは山岳地帯で雪が豊富なので、水力発電が非常に盛んです。その次に選んだのが原子力です。火力発電はわずか1.4%。基幹電源として水力と原子力を利用しています。つまり、発電でほとんど二酸化炭素を出さない国がスイスです。



 川の中州にあるのはベツナウ原子力発電所で、ここからパイプラインが延びています。このパイプラインで地元の人たちにお湯を供給しています。小さな町や村にまでお湯が供給され、原子力発電所から来るお湯を使って生活する人は約2万人います。



 ベツナウ原子力発電所の周辺にある一般家庭を、私も訪ねてみました。車のガレージに原子力発電所から来る熱交換器があり、水道の水を加熱してお湯を作っています。この家庭は全室床暖房で「うちは石油の値段なんて心配したことがない」と奥様はおっしゃっていました。北海道と気候が似ているスイスではほとんど石油を使わずに、こういうことが行われています。

 また、スイスの生協の店舗では、原子力発電所から来る熱を暖房に利用しています。工場では熱を蒸気に換え、温室栽培にも原子力発電所の熱が使われています。

スイスを例に出していますが、ご存知の通りスイスは脱原発宣言をしてますね。 

もう一つ、フィンランドについてご紹介します。寒冷な気候で森林が美しく、人口は約520万人で北海道とよく似ています。フィンランドの学力は世界第1位で、携帯電話のノキアをはじめとして国際競争力が非常に強いことで知られています。この国がいま、原子力発電所の建設を計画しています。



 私が視察したオルキルオト原子力発電所を紹介します。北海道について少し自慢したいんですが、この発電所で使う原子炉の最も大事な部分、つまり放射能を閉じ込める鋼鉄製の原子炉圧力容器は、北海道の室蘭にある日本製鋼所が作った部品です。世界の大きな原子力発電所を作るには、北海道の技術がなければできないんです。こういう技術がきちんと守られないといけない。ですから、世界中で原子力発電所が売れると、北海道も潤うことになります。いま日本製鋼所では設備投資をして工場を拡張し、世界中からの注文に備えています。これが日本経済の牽引力になると思います。

フィンランドのオルキルオト原子力発電所については、映画「10万年後の安全」を。。。 こちらを参照→http://seto.blog.so-net.ne.jp/2011-04-28#favorite



奈良林 原子力発電所については三菱、日立、東芝という3大メーカーがあります。これらが海外メーカーと合弁あるいは提携したり、買収したりして、世界中の原子力発電所を建設しようとしています。

 世界では、2020年までに約130~150基の原子力発電所が建設される予定です。2030年までにさらに200基の計画があります。合わせると350基くらい。いま世界で運転されている原子力発電所は435基ですから、それと同じくらいの数が世界に作られることになります。

 日本には今後9~12基の建設計画があり、アメリカもこれから建設しますが、すでに日本の企業と契約を結んでいるところもあります。中国でもウェスティングハウスが原子力発電所を建設しています。ウェスティングハウスは東芝が買収したメーカーです。ですから、今後は日本の技術が世界を豊かにするわけです。先ほどお話しした通り、原子力技術のすそ野は非常に広く、世界で役立っています。原子力発電所1基3000億円として、それを350基作るのですからすごい数字です。日本が全部受注できるかどうかわかりませんが、かつて私にとって良きライバル会社だった日立は、工場で作ったものを船で運んで一気にクレーンで下ろして建設する技術を最近のアメリカの国際会議でPRしていました。もちろん東芝にも三菱にも同じような技術があります。





 こうした技術は青森県の大間原子力発電所でも使われています。工場で精巧なものを作り、大型クレーンで据え付けます。これだけたくさんの鉄筋を敷設して、コンクリートでしっかりした基礎を作り、その上に原子炉を作っていきます。だから原子力発電所で地震が起きても、原子炉の中の重要な機器はびくともしません。

 タービン建屋は東芝、廃棄物処理建屋は三菱。このように、3大メーカーが大間原子力発電所で技術を磨いています。


「原子力発電所で地震が起きても、原子炉の中の重要な機器はびくともしません。」といってますが、ご存知のように今回の地震で、これが全くの嘘だったことが証明されましたね。 さすがに元東芝の社員、東芝を何気なくPR。   


原子力分野で最も大きな課題は人材育成です。原子力発電所を1基作るのに1カ所で2,000~3,000人が働くことになります。それを100基、200基と作っていくときに人材をどう確保するか。また、でき上がった原子力発電所をきちんと点検して、安全に運転していく人たちも確保しなくてはならない。人材不足は国際会議で最も大きな課題です。そのために大学に役割が求められていると思います。



 現在、北海道大学では原子力の勉強をしたいという学生がどんどん増えています。学生たちには原子炉の組み立て方から説明しています。女子学生もいて、原子炉を建てるための計算を行い、設計のしかたを勉強しています。

北大では原子力の勉強がしたいという学生がどんどん増えているって、本当ですかね。最近は原子力には未来がないって優秀な学生が集まらないって聞いてますけど・・・ 



第1部で地震時の報道の話が出ましたが、以前私は40人くらいの委員を募り、柏崎刈羽原子力発電所の職員が地震のときにどんな対応をしたかを調べたことがあります。その結果、すばらしい努力をしていることがわかりました。



 地震発生後にいち早く発電所に向かい、3週間もかけて各所を必死に点検した。ある人が「休暇を取らせてください」と言ったので理由を聞くと、「家が傾いているので取り壊さなければならない」と。傾いた家を壊すのを、奥さんに頼んで待ってもらっていたそうです。そういう人がたくさんいました。

 それで委員の先生方に審査してもらい、すばらしい対応を讃えて表彰させてもらいました。表彰のときに挨拶をした若い職員のスピーチがすばらしかった。



 私はその内容を大学の講義で学生に聞かせました。学生の多くは、柏崎刈羽原子力発電所の報道を見ていて、日本でチェルノブイリ事故が起きたと思ったそうです。「マスコミ報道じゃなくて、真実を知ることがどれくらい大事かがわかった」という感想があり、学生は大事なことを学んでくれました。

学生を洗脳してるんですね。
 
学生たちはこれからのゼロ・エミッションの時代をどう生きるか、そのためにどんなものを開発する必要があるか。原子力分野に進む人や、燃料電池のバスを開発する人もいるでしょう。そのように、学生たちにはいろんな分野で活躍してほしいと願って人材育成を行っています。



 また、先ほどお話ししたサウジアラビアのことですが、石油が出なくなるから「助けてください」と協力を求めてきました。なぜ北海道大学に来たかというと、原子力研究の他に、北大には水を大事にする研究を進めている先生がたくさんいます。「原子力」、「水」、「口蹄疫」、この3本が揃った大学は世界中で北海道大学だけです。そこまで調べ上げて北海道大学に来て、総長に会い、協定を結びました。これから人材育成の面でも、北海道あるいは日本が世界をリードしていくことが必要です。日本がいちばん石油を買っているのはサウジアラビアですから、大事に付き合っていかなければなりません。

奈良林 原子力の安全というのは非常に大事なものです。おそらく皆さんは誤解されていると思いますが、チェルノブイリ事故は日本では絶対に起きません。 


日本の原子力発電所は軽水炉といい、冷却材として水を使っています。核分裂をすると中性子ができますが、そのスピードが水の中でゆっくりとなって、ウラン235に近づくとまた核分裂をします。このときに重要なのは、水を使ってスピードを落としていることです。チェルノブイリの原子炉では、炭が使われていました。水は温度が上がると密度が下がる。つまり、水が少なくなると、中性子のスピードを落とす能力が弱くなります。ですから、日本の原子力発電所で炉心を操作しようとしても、自動的に出力を下げてしまうしくみです。これが日本の原子力発電所です。


誤解してませんでしたね。チェルノブイリ級、レベル7クラス事故、日本で起きました。 むしろ福島の事故は4基。レベル7X4基でレベル28ともいえる大事故。


奈良林 おっしゃる通りです。そういうことについて、専門家が声を大きくしてしっかり皆さんに発言しないといけない。私も含めて責任があると思います。今日はこれだけ大勢の方に集まっていただいたので、それだけはしっかりお伝えしたいと思います。

 チェルノブイリのような大事故は、日本やアメリカ、ヨーロッパの原子力発電所では起きません。ただし、原子力では2大事故があり、チェルノブイリ事故の前にアメリカで起きたスリーマイルアイランド事故があります。そのときは、炉心を空焚きにしてしまいました。水が抜けたときに緊急炉心冷却装置が働きますが、それが働いて水がちゃんと入っていれば、炉心が損傷することはなく安全に止まったはずです。しかし、そのときに中の水位を示す計器が恣意誤差を起こしていた。運転者はその恣意誤差を見て「水はいっぱいになった」と勘違いし、スイッチを切ってしまった。これがスリーマイルアイランド事故の原因です。


もう一つ大事なのは、原子炉格納容器です。先ほど日本製鋼所の原子炉圧力容器の話をしましたが、その外側に、ガスタンクのような厚さ40ミリ近くの原子炉格納容器があります。原子力発電所では、仮に炉心で放射能が漏れても、この格納容器で閉じ込めるようになっています。スリーマイルアイランド事故で炉心が損傷する事故が起きても、放射能は全く外に出ませんでした。一方、チェルノブイリ事故では天井がコンクリートだけで、鉄板がなかった。だから天井が抜けて世界中に放射能をまいてしまった。そういう大きな違いがあります。 ですから、技術で放射能を閉じ込めることはできます。

大事なことは、さまざまな計器が正常に働くように点検をしっかりすることです。それには日々の努力しかありません。日本でもちょっとしたトラブルはありますが、どこにも放射能は出ていません。しかし全部事故と報道されています。美浜原子力発電所でお湯をかぶって亡くなってしまった人がいますが、原因は放射能ではなく、お湯によるやけどです。そういう点検をきちんとやることが、わが国を含めて原子力発電所のいちばん大事なことです。

「格納容器で閉じ込めるようになっています、技術で放射能を閉じ込めることはできます。」 これも嘘でしたね。格納容器は破損しました。放射能も閉じ込めること出来ず、大量に撒き散らしました。

奈良林 これはアメリカのリバーベンド原子力発電所です。1980年代当時、アメリカの原子力発電所の運転成績は非常に悪かったんです。何か少しでもミスがあったり故障があったりすると、その人を呼んで「なぜこうなったんだ。責任を取れ」と言う。

 同じ時期、日本の原子力発電所の運転成績は世界でもトップクラスでした。そこでアメリカが調査団を作って日本に来て、各発電所をつぶさに観察しました。昔の日本には「ほめる」という文化がありました。頑張った人やよく働いた人を表彰するのが日本の文化でした。そうした日本の良さを取り入れ、原子力発電所が安全になるよう、少しでも工夫して運転成績が上がった人を表彰するようにした。



 リバーベンド発電所では、そういう人を社内報でほめたり、ワインパーティーをして皆の前で「この人たちはよくやった」とほめるようにしました。

 冒頭で私は「愛」が大事だと言いましたが、原子力発電所で働いている人たちにも愛が必要です。

 私がリバーベンド発電所に見学に行ったときは、発電所ですれ違う人たちが皆「こんにちは、よく来ましたね」と声をかけてくれました。皆自分の仕事に誇りを持って働いています。

 日本はどうかというと、近年は原子力発電所で働いている人たちの元気がなくなってきています。なぜかというと、定期点検に入る前に、ビルの4階建てくらいの厚さの書類を作ることを国が義務付けているからです。その書類に少しでもミスがあると、違反・罰金扱いです。原子力発電所を停止しなければならないこともあります。いまの日本はそういう環境です。
 つまり、日本とアメリカの文化が入れ替わってしまっている。日本がいちばん反省しなければならないのはそこだと思います。

● 小沢 何でそうなっちゃったの?


● 奈良林  そこなんです。アメリカは「Japan as No.1」と言って、日本が輝いているときに日本の制度を全部勉強して取り入れました。日本はだんだん規制を厳しくして、少しでもミスがあったら、マスコミから集中砲火を浴びて社長が謝る事態になる。それで余計に厳しくなる。それがだんだん定着してしまっています。 
私はいま日本各地の原子力発電所を回って「もっと元気を出してほしい」と言っています。「あなたたちの仕事は世界にとって大事なんだ。二酸化炭素を出さないために頑張っていらっしゃるのでしょう」と励ますと、「元気が出ました」と言う。原子力に限らず、自分の仕事に誇りが持てるような国にしなければなりません。だから日本全体に元気がないんです。それぞれの相手を大事に思って、皆がニコニコしながら働けるような元気な国にもう一度しなければいけないと思います。



この人はどうも規制が厳しくするのはよくない、反省すべきだと思っているらしい。原発の規制は緩やかに、少々のミスには甘くみて見逃すくらいの方が、日本が元気になっていいらしい。



奈良林 これまでお話ししたほかに、原子力発電のすばらしさがもう一つあります。それは、燃料となる物質が運転中に炉心の中で生まれることです。

 燃料のウランには、ウラン235とウラン238の2種類があります。ウラン235は天然ウランだと全体の0.3%くらいしかありません。それを3~5%くらいまで濃縮して初めて軽水炉で使うことができます。残りのウラン238は、原子炉内で中性子を吸収してプルトニウム239に変わります。プルトニウムだけを取り出すと核兵器になってしまいますが、これを人類がエネルギーのために使うか、核兵器に使うか。

 日本は平和利用ですから、当然これを燃料として使います。この赤い部分は核分裂生成物といい、「核のごみ」になります。核のごみは1トンの燃料を使うと30kgくらいできますが、それを取り出してガラスと混ぜ、ステンレス製の容器に入れ、溶接して保管し、冷えてから地中に埋める。これが核燃料サイクルの目指すところです。地中処分は人間がきちんとやればできることで、今後しっかりと進めなければなりません。これがいま課題になっていることです。

 泊3号機でもプルサーマルが進められていて、燃料はMOX燃料といい、ウランとプルトニウムを混ぜた混合酸化物燃料のことです。これをウランと混ぜて炉内に均一に配置し、原子炉を運転します。そうすると、原子炉の中で作られた燃料を再び原子炉で使い、リサイクルができます。





 先ほど人類2000年分のエネルギーを得ることができると言ったのは、プルトニウムを効率的に作ることができる高速増殖炉を我々がしっかり作って、安全に使いこなしていくことによって初めて実現するものです。 
日本では福井県の高速増殖炉「もんじゅ」が運転を再開しましたが、過去にはさや管が折れてナトリウムが漏れ、火災が起きました。それで14年間も止まってしまいました。反対運動があり、訴訟にもなりました。

 ところがフランスは32年間に35回もナトリウムが漏れています。フランスはそれだけ漏れても、たゆまぬ技術努力を続けています。日本は1回漏れただけで止まってしまう国です。どちらが技術開発力がつくかは明白です。もちろん安全性は大事ですが、努力を続けられる国と止められてしまう国の違いは大きく、私はこのことが核燃料サイクルにとって非常に大事だと思っています。 核燃料サイクルは、軽水炉のサイクルと高速増殖炉のサイクルがありますが、高速増殖炉のサイクルが回り出すことで人類2000年分のエネルギーを得ることができるようになります。今後20~30年の中で、ここまで到達することが大事だと思います。


「プルトニウムを効率的に作ることができる高速増殖炉を我々がしっかり作って、安全に使いこなしていく」高速増殖炉のサイクルの推進。見果てぬ夢を見ている人物。フランスは撤退している。もんじゅ、「フランスは32年間に35回もナトリウムが漏れています。日本は1回漏れただけで止まってしまう」どうもこれが不満らしい。自分は長年の原子力推進派だと公言。こういう人物が、原子力安全委員会専門委員という規制当局の人間であるのだから、原発の規制なんて出来るわけがない。

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