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内橋克人「原子力安全神話はいかにして作られたか」 [内橋克人]

内橋克人「原子力安全神話はいかにして作られたか」/ 正統性を喪失したエリート支配層



原発PA(public acceptance)戦略の徹底ぶりについて。原発を社会に受け入れさせるための戦略的働きかけは大きく3つの柱に分けられており、壮大な規模において展開されてきた。

1)電気事業連合会が行ってきた言論に対する抗議戦略。
様々な報道機関・メディアに抗議書や「関連報道に関する当会の見解」という共通見出しの文書を送り続ける。

2)小学校低学年から中学・高校までエネルギー環境教育という名の原発是認教育を授業として実施。
社会・理科・総合などの授業で児童・学生らに教師が教え込んでいく。それが生徒の成績も左右する。

3)有名文化人を起用していかに原発は安全かを語らせるパブリシティ記事をメディアを使って展開。費用も膨大だったはず。男女の文化人を原発の地下施設などに案内し、ヘルメット姿で語りをやらせ、それを記事にする。ある有名テレビ・キャスターは「原子力問題は論理的に考えよう」などとご託宣を下しているわけである。

私は『原発への警鐘』の中で「マンクーゾ報告」を紹介している。米国のピッツバーグ大学トーマス・F・マンクーゾ博士は「マンクーゾ報告」(1977)の中で放射線による被害のことを「slow death 緩やかなる死」として警鐘を鳴らした。日本からの取材に応えたマンクーゾ博士は以下のように誠実に語った。「日本はアメリカに比べて国土も狭いし、人口も密集している。この広いアメリカでも原発の危険性は常に議論されているのに、狭い日本で原発事故が各地に広がった場合、一体日本人はどこに避難するつもりでしょうか。日本人は広島・長崎と2度も悲惨な原爆の悲劇を経験しているではないか」。私はこのマンクーゾ報告を正当に評価している京都大学原子炉実験所の原子力専門家の話も詳しく紹介した。今この国のあり方を根本から考え直すことが、夥しい犠牲者への生きている者のせめてもの責務ではないだろうかと考える。




http://youtu.be/C1lZ96QTFSI
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コメント 4

yu-papa

原発は地球環境を考えると、必要な設備だと思います。
時代の流れで、違う発電方法が作られるかもしれませんが・・・・
現時点での技術では、これが最高のものだと思われます^^



お礼のコメントを頂き有り難うございました\(^^)/
by yu-papa (2011-05-05 10:47) 

白・嶋・春・富

原発は廃棄物のことを考えると地球環境にいいものではありません。原発はCO2を出さないというのも嘘ですし、CO2ならもともと地球に必要なものですし取り戻すことも可能ですが廃棄物は何万年という単位で地球環境を汚染させます。

by 白・嶋・春・富 (2011-05-05 13:01) 

1969kana

まだまだ放射性廃棄物のこととか知らない人がいるんですね。
放射性物質に比べれば、二酸化炭素なんか可愛いモンですよね。
第一、温暖化に本当に二酸化炭素が関係しているのか怪しい、というデータも出てきているようですしね。
by 1969kana (2011-05-06 00:40) 

白・嶋・春・富

1969kanaさん<そうですね。
CO2温暖化説は推進派の陰謀だという説もあるくらいですし・・・
それは兎も角、日本のような火山地震国で万単位の年月核廃棄物を閉じ込めておけるのか疑問です。
by 白・嶋・春・富 (2011-05-06 14:46) 

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